この話は、ある湖のそばにあった店舗での出来事です。その店舗は今でこそ無いのですが、周辺に住む人達に迷惑もかかります。それに数十年前の地方紙を調べると人物が特定される恐れがあります。なにぶんにも一人の幼い命が消えたことを発端とした出来事であるものですから、この出来事はお話できません。では何故ここに掲載したかといいますと、理由があります。
戦時中はどこの湖や河川域、沼地に身体を焼かれた人達が水を求めて飛び込んで、あるいはたどりつけずに死んでいきました。空襲のさなか、防空壕の外はあまりの熱さに荷物が自然発火するほどです。水のある場所のまわりにはたくさんの死体が山となり、その水も多くの血を吸ったのです。
今回のお話はなにもこの場所に限らず、日本全国はおろか、世界中の水辺に起こり得る出来事なのです。これを機会に戦争の恐ろしさを、そしていまでもその傷痕が生きづいていることを知ってもらいたかったのです。湖の水面を見つめる時、これを思い出してください。