ディーン・マーティン


 一つだけ約束して下さい。昨年の12月25日に急性呼吸不全で78歳で亡くなった往年のエンターティナー、ディーン・マーティンのことを永遠に忘れないって。

 すてきな歌で、おしゃれな映画で我々を楽しませてくれたディーン・マーティン。

 食べて、歌って、恋をする、イタリア系アメリカ人の楽天的性格を我々に教えてくれた、ディーン・マーティン…、なんて言ったら、堅苦しいのを嫌ったディーン・マーティンに笑われるでしょうかね。


ミスター;
私が「いつもの!」と言って頼んでいるジンアンドイットもディーン・マーティンに憧れて飲みだしたんですよね。

ジェイク;
ええ、そうですね。

ミスター;
ジンアンドイットはマティーニの原型で、ジン1/2に、イタリアンベルモット1/2を注いだだけのもの。レシピにこだわってきっちりしたマティーニを飲むより、こういうルーズな飲み方をするおしゃれなやり方をディーン・マーティンに教わりましたよ。

ジェイク;
お酒の飲み方でもファッションでも、そう言う崩し方が恰好良かったですね。

ミスター;
特にステージでグラス片手にリラックスして歌う姿なんか、最高に良かったですね。10の実力があるのに全開にせず、7くらいで歌う。あの余裕がディーン・マーティンの魅力でしたよ。

ジェイク;
そうですね。

ミスター;
おや、入り口のすぐ脇で、グラス片手に立ち話しておられるのは、タレントの井上順さんじゃないですかね。そう言えば順さん、どことなく雰囲気がディーン・マーティンに似ておられますよね。

井上順;
サミーデービスjrも好きだし、シナトラも好きだし、ディーン・マーティンも好きだし…。

聞き役男;
井上さん、ステージとかディナーショウ見てるとディーン・マーティンの線を狙っているみたいで顔そっくりじゃないですか。お顔似てますよね、すごく。

井上順;
あー、そうですか。好きですよディーン・マーティンの雰囲気。彼のショウもね何回も見たり、やっぱり、粋なんですよ。

聞き役男;
僕、実物見たこと無いんですけど。実物のショウなんか向こうでご覧になったことあるんですか。

井上順;
ええ。何回もありますよ。

聞き役男;
よく、お酒を浴びるように飲んでステージに出ていてね。伝説であの人は本当に酔っててステージやっている、て言うけど、実は、芝居なんだって言う人もいるんですけどどうなんでしょう?

井上順;
本当は飲みます。

聞き役男;
ステージでも?

井上順;
ええ、それで恰好いいんですよ。伊達男って感じでね。やっぱりほら、

  レディース・アンド・ジェントルメン。ディス・イズ・ディーン・マーティン

て(司会者が)言うわけですよ。出て来ないんですよ。客席をライトで照らしてね、客席を見てみると女の子と抱き合っている。スポットライトが当たるとね、手で明かりを照らすなって言うわけ。そして戻ってくるとディーン・マーティンだったり。自分の持っている売りって言うのかな。ちゃんと分かってやってますよね。よれよれになった恰好で出て来て、

  ♪エブリバディ

て、やるわけですよ。だからお客さんも

  オー、ディノ、ディノ!

って。

聞き役男;
キャラクターとして許せちゃう訳ですよね。

井上順;
そう。だから、ショウなんて言うのはいろんなタイプの方がいらっしゃるけど、ディーン・マーティンっていうのはそう言うみんなが思っている感じのショウをやってくれるっていう。

聞き役男;
期待通りなんですか。

井上順;
そう。素敵でしたよ。晩年はいい身体でなくなっちゃってね、昔のフィルムとかレコードは僕らにとっては永久保存版で、取ってありますけどね。


phantom Home Page に戻る

Saturday Waiting Bar に戻る