若き映画スター達


ミスター;
おや、壁際のもう一つの丸テーブル席では土曜日の常連、ブルータス編集部の西田さんが映画評論家の江戸木純さんとおしゃべりをしておられますよ。江戸木さんは日本でも指折りのアメリカB級映画マニアでいらっしゃるんですが、一体今日はどんなお話をなさっておられるんでしょうかね。


西田;
江戸木さんて今、なんで江戸木純なんですか、と聞かれて、 「いや、エドウッドから取ったんです。」 と言うと逆に恥ずかしいですよね。

江戸木;
きっとそんな事が聞かれないために、と言うか誰も絶対知らないだろうというような所から持ってきたつもりなんですけど。

西田;
10年前位でしょ? 名前付けたの。

江戸木;
そろそろ江戸木純という名前を変えようかなと。

西田;
次はバーホーベン(ショーガールズの監督)かなんかで行きますか?

江戸木;
そうだね。ひどかったですね。

西田;
ショーガールズA B )。何か取ったんですよね。アカデミーの裏アカデミー。

江戸木;
その前の年で一番ひどかった映画を選ぶっていう賞でゴールデンラズベリーっていう賞が、10年位前、80年代前半から始まってるんですけど、それでショーガールズが去年の映画では、主要部門独占という。

西田;
ゴールデンラズベリー賞9部門独占とかいう感じ?
今年のゴールデンラズベリー賞は?

江戸木;
多分ね、主演女優賞として取るんじゃないかと僕が思うのは、スーパーモデルのシンディ・クロフォード

西田;
フェア・ゲームA B )ですね。

江戸木;
フェア・ゲーム。あの〜、これね。映画はね面白いんですよ。お金払って観る価値はあると思うんですけどね。とにかくアクションが派手で、あの、ダイハードのアクション監督をやっているんで派手なんですけど、話が無い。

西田;
はははは。

江戸木;
シンディ・クロフォードは敏腕女弁護士なんですけど。

西田;
説得力無いですね。

江戸木;
説得力ゼロで、全編タンクトップ一枚で走り回るという映画。必然性の無いヌードシーンはあるしね。とにかくもう…。

西田;
スター映画ですね。

江戸木;
大御開帳映画と言うかですね。出血大サービスの映画で演技は全くして無いんですよ。

西田;
見る価値は。まあ、あるかもしれない。

江戸木;
男性ファンはこういう映画が一番いいのかもしれないですね。

西田;
なるほどね。エースベンチュラ2は観ました?

江戸木;
うん。邦題はエースにおまかせ、になってましたけど。前作A )こけちゃったんで題名変えるらしいんですけど。

西田;
前作はこけたんですか?

江戸木;
記録的にこけたんですね。

西田;
ははは、そう。

江戸木;
マスクが出てそれなりに…。

西田;
ジム・キャリーのね。

江戸木;
ジム・キャリーのエースにおまかせ、という事でやるらしいですけどね。

西田;
僕はね、結構面白かったんですよ。

江戸木;
要するにこういう映画っていうのはもう元々、笑って、馬鹿馬鹿しくて、くだらなくってという所を観る映画だからこれでいいと思うんですよね。別にこれにテーマとか、感動を見つけたり…。

西田;
人生変わったりしたら問題だもんな。あんな映画観て。

江戸木;
アライグマをね、最初に救出に行ってクリフハンガーのパロディ。あそこだけで終息している。

西田;
映画会社から、紹介する時にスチール写真を借りるじゃないですか。あれ4、5枚もらうんだけど、ジム・キャリーの映画ってスチール写真を見るだけでお腹が一杯になっちゃうんです。この顔真似が2時間続く、と思うと。

江戸木;
そう。それ以外何も無い。

西田;
無いですよね。

江戸木;
ジム・キャリーが嫌いな人はほとんど拷問なんだけど…。

西田;
好きな人にはたまらないでしょうね。

江戸木;
逆に拷問だと思って行くっていう手もあるわけで。

西田;
つまり、昔の映画、昔のエドウッドを持ち出す間でもなく。今公開している映画だって映画館でひどい目にあえるから。

江戸木;
要するに、ひどかろうが、つまらなかろうが、見る側が楽しめば良いわけだから。

西田;
そうですね。

江戸木;
お金を払った人が笑ってもいいし、泣いてもいいし、楽しみ方は…。

西田;
怒るのも楽しみかもしれない。

江戸木;
そうですね、腹綿煮えくり返る為にオリバー・ストーンの映画を見に行くという人もいますからね。

西田;
いるでしょうね。はは。


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