豪州バラマンディ・フィッシング]V
小バラの乱舞

木陰で一休み 7KB
真夏の豪州 木陰で一休み

擬似餌の玉手箱>豪州バラマンディ・フィッシング>'07/11遠征

'07/2/12(月) デントリーリバー

〜 車中タックル談議 〜


デントリー 7KB まだ暗い午前5時15分に起床。徐々に明るくなり、ワライカワセミのけたたましい鳴き声で街全体が目を覚ます。先ずは服を着替えてタックルの準備を整える。続いて手早く朝食タイム。ウィードビクスに椰子の実デイツを入れ、ミルクとメープルシロップをたっぷりと注いで食べながら、無人販売所で買ってきたバナナを頬張った。今日向う場所は、世界遺産として指定されている熱帯雨林の中を流れるデントリーリバー。ケアンズ市街を抜け、キャプテンクックハイウェーを北上する。「新しいアミューズメント施設ができたぞ」とテリーが指差す場所には、巨大なプールとクレーン、ジャンプ台があった。聞けばケーブル水上スキー場とのこと。基本的には水上スキーなのだが、引っ張るのがボートではなくクレーンの様な装置。ワイヤーを付けたクレーンがグルグルと回り、スキーヤーが引っ張られるらしい。是非、やっている姿を見てみたかったのだが、朝早すぎてその様子を見る事はできず残念。

 デントリーリバーまではケアンズから1時間半弱のドライブ。車中ではタックル談議で話しが盛り上がる。テリーは、私がプレゼントしたアンタレスARを相当気に入った様子。トラブルが続いた中国製ラインは捨てて、ちゃんと昨晩のうちに新しいラインを巻き換えてある。「シマノのリールにDCシステムは不要」「コントロールは親指を使えば良い」との意見は2人とも一致。彼がメインで使っていたコンクエスト250DCは控えに回るようだ。ロッドについては、私が使っているラグゼカマー572は短かくて硬すぎると指摘。PEラインに短く硬いロッドだと、トウィッチの際にルアーのアクションが硬くなり過ぎるのだと言う。以前使っていたジャーキング62Bだと、少々長くて柔らかい。トウィッチがしやすく、バットがしっかりしてバラマンディの強いファイトにへこたれないようなロッドを探すのは、かなり難しいのだ。

〜 世界遺産の熱帯雨林へ 〜


デントリーボートランプ 6KB 小さなモスマンの街を抜け、巨大ワニの看板があるデントリーリバーのボートランプへ滑り込む。ここには熱帯雨林の大自然を手軽に満喫できるように、観光客相手のボートツアーやエコツアーが幾つか用意されている。オーストラリアは乾燥した大地として知られているが、クイーンズランドの北部は熱帯性気候であり、世界最古とも言われる古代の森が残っている。熱帯雨林は豪州全土の0.01%しかなく、毎年、生物や植物の新種が発見されている非常に貴重なエリアだ。そんな所で竿が振れるなんて、ホント感謝しなければならない。

 ボートを降ろし対岸に進めて実釣開始。昨日のサウス・ジョンソンリバーよりも明らかに濁っているのだが、「多分、大丈夫だ」とテリーは言う。流域は熱帯雨林のジャングルか放牧場なので、農薬が流れ込むことはないとは思うが、はたしてどうだろうか・・・。開始10分、マングローブがひしめくシャローエリアでバラマンディ(54cm)がクラシックバラを襲った。ファイト中、ルアーが見えないので心配していると、2本フックの10cmミノーをすっぽりと飲み込んでいることが判明。時間を掛けるとリーダーが切れる恐れがあるので、強引に引き寄せ一気にボートの上へゴボウ抜き。

 マングローブ際のピンポイントには他にも魚が潜んでいそうだったので、2人で集中砲火を浴びせる。すると再びクラシックバラに爆裂バイト。場を荒らしたくなかったため、遊ばずにフルパワーで魚を引き寄せて51cmをキャッチ。直ぐにリリースをしてキャスト&トウィッチ続けると、3回もバイトしてきたがフッキングには至らなかった。ラトル音にスレてきたのか徐々に魚の反応が鈍くなってきたので、シャッドラップ9を投入。すると一発で45cmが食ってきた。因みにクラシックバラは今回初めて使ったルアー。豪州では誰もが知っているバラマンディ用のルアーで、数多くの大会で優勝ルアーになっている。サイズや潜行深度で何タイプかあるので、状況によって使い分けができる有り難いルアーなのである。ラトルはジャラジャラとうるさく、浮力があるためロングAに飽きたらコイツで気分転換をするのも良いだろう。

〜 ラッツサイズだらけ 〜


バラ&トシ 5KB 大きなマレオを使いバブルトウィッチをしながら魚を探す。分岐点のコーナーで、バックシートにいるテリーもビックリするような爆烈バイトがあったがフッキングには至らずガックリ。すかさずルアーを回収しキャストを繰り返し、丹念に探ったが無反応。単発で終わったので、次なる魚を求めて更に上流へと溯る。ポイント、ポイントで釣りをしながら溯るのかと思いきや、一気に上流まで上がる。途中、岸際ではビックなクロコダイルが朝日を浴びて寝転んでいるのを発見。心地よい陽射しと顔に当たる風が気持ち良く、私もついウトウトする。何度か握っていた竿を落としそうになり、その度にドキリとした。

 30分以上、川を溯り小川が流れ込むポイントへ到着。本流へ流れ込む水はクリアで、とても期待したのだがルアーを何度通しても無反応。更に上流へボートを進め、ウィードがあるシャローワンドへ到着した。テリーの指示でシャッドラップ8エサ8)を取り出す。ウィード際をトウィッチさせていると予想通りにバイト。魚が小さそうだったのでゴボウ抜きをすると38cmのバラマンディだった。いわゆるラッツと呼ばれるこのサイズは必ず群れているので、ヒットした周囲の倒木や岬周辺を探る。あっと言う間に同サイズを2匹追加。フッキングには至らずともエサ8には次々と40cm以下のサイズが身を翻した。ルアーサイズを上げれば魚も大きくなるだろうと、エサ9に交換して狙っていると56cmが飛び出した。

 「今年はバラのサイズが小さいんだ」と言いながら、テリーは根掛かりを避けるため、透き通った樹脂性の頭を持つジグヘッドにピンク色のゴムルアーをセットしシャクリ始めた。バラマンディが好むエビを意識して跳ねるようなアクションをしていると、パックリと30cmのバラが食ってきた。余りの小ささに2人して大笑い。これ以上、ラッツ虐めをしていると、きっと罰が当たるに違いない。

〜 大切な水分補給 〜


テリー 5KB 午前11時、風がない炎天下の中で黙々とキャストを続けていたので、疲労と暑さで死にそうになってきた。木陰を探してボートを止め、15分ほどティータイムを取る。水の中に両足を浸して体温を下げた後、ゴロリと横になり暫く目を閉じる。気温は35℃を超えているが、ボートデッキの上ではもっと高いに違いない。湿度は低いので、ベタつき感がないのが救い。顔を触ると吹き出た汗が塩の結晶になってザラザラしていた。

 長丁場の遠征で体調を崩さないようにするための秘訣の1つとして、積極的な水分摂取が上げられる。水分摂取を怠ると日射病になったり腎臓機能の低下をまねくので、こまめにテリーが用意してくれたペプシコーラやレモネード、ケアンズの水道水を凍らした氷水を飲んだりして水分補給する。体がだるくなってきたり、オシッコをする回数が極端に減ってきたときは黄色信号。こうなる前に少しずつでも水分を口に含むことが大切だ。

 炭酸水のガブ飲みは胃への負担が大きく糖分も高いので、「少しでも体に優しい物を」と考え毎日ペットボトル1本分のスポーツドリンクを作ってボートに持ち込んでいる。ここ数年利用しているのが「体脂肪を燃やせば持久力に!」をキャッチコピーにしているオレンジ色のラベルのエネルゲン。気になる脇腹の脂肪を消費しつつ、汗で失った電解質を補給できるメリットがあるらしいので体には良いだろうと思い込みやすい。しかし、表示欄を良く読むと原材料名のトップに果糖、2番目に粉末果汁と書いてある。表示欄外には「無果汁」とあるので果汁の量は極めて微量。ほとんどが糖分なので、大量に飲むのは体に良くないのだろう。幸いケアンズの水は腹も痛くならず美味しいので大助かり。東南アジアの水のように煮沸しなくても、ガブガブ飲める。シドニーやメルボルンの雑排水を再生処理した水道水とも違うので安心だ。

〜 グッドファイターJP 〜


ポイント 休憩後は川の分岐点まで上がり、魚が潜んでいそうなオーバーハングやレイダウンを集中的に撃ちまくる。使うのはハスキーラパラの13cm。このルアーはプラスチックのサスペンドであるハスキージャークとは異なり、バルサ製のハイフロートモデル。トウィッチした際の反応が良いことに気がついて、今回の遠征にボックスへ突っ込んできたルアーである。何年も前にカタログ落ちし、店頭から姿を消しているのがとても残念だ。

 「13cmもあるミノーなのでラッツサイズは出ないだろう」との考えでハスキーラパラをキャストし始めたのだが、いきなり食ってきたのは30cmのジャングルパーチ(JP)。直ぐにリリースして同じ場所にルアーを撃ち込むと、立て続けに20cmのJPを2匹釣り上げた。JPが体の半分以上もあるサイズのルアーに対し、ここまで果敢に反応するとは知らなかったのでこれには感動。真にグッドファイターなのである。外来種であるテラピアに生息域を脅かされ今後が心配されるのだが、ルアーに好反応な彼らには生き残って欲しいと思うばかりだ。

 テリーはエサ8で45cmのバラマンディを仕留めた後、DDパニッシュで25cmのJPを追加。私のハスキーラパラには反応がなくなったのでエサ9に交換し38cmのバラを追加した。少しずつ上流へボートを進めると、水の濁りが強くなっきている。テリーは、「前夜に上流部でまとまった雨が降り、濁りが入ってきているのだろう」と推測する。時計を見ると12時半。ここで昼食にして、午後の部はUターンして釣り下ることにした。

〜 シャッドラップ炸裂 〜


マングローブジャック 5KB 木陰で昼食を摂りながら一服していると、突然雨がザァザァ降ってきた。午前中は死にそうなぐらい暑かったのだが、この雨で気温が下がり過ごしやすくなった。頭上は鬱蒼と茂る樹木に覆われているため、雨にも濡れず快適。「直ぐに雨は止むだろう」と言うテリーの予測どおり、30分もしない内に雨は上がった。この雨で魚の活性がUPしたことを祈りながらキャストを再開する。雨による変化は魚ではなく、私の方に起きていた・・・。休憩した事で集中力が切れ、キャストが見事なまでに乱れまくり。狙ったポイントにルアーは落ちず、ブッシュやグラスに引っ掛けてばかり。こんなに乱れることは滅多にないように思うのだが、午前と午後の私ではまるで別人のよう。兎に角、暫くキャストしていれば元に戻るだろうと、焦らず丁寧なキャストを心掛けリズムが戻るのを待つ。

 ボートを流しながら、岸際にひしめく通称バラマンディ・グラスの際を次々と撃っていると、私の偏愛する金黒カラーエサ9にターポンが出た。生臭い魚なので触らないようにペンチでフックを摘み手早くリリース。魚がいる場所といない場所が明確に別れているので、反応があった場所は周囲を含め徹底的に探る。次にエサ9を咥えたのは48cmのバラマンディ。続いて45cmのMJもキャッチした。因みにここで活躍したシャッドラップ9は、近隣の釣具店では取扱っていないため特別に発注して取り寄せた物。1〜2個取り寄せるのは申し訳ないので、箱(6個入り)で頼んで購入したのだ。子供の頃では考えられない買い方で、私は「大人買い」と呼んでいる(笑)。シャッドラップはボディ内部に水が入るとよろしくないため、事前にアイとボディの隙間にたっぷりと接着剤やマニキュアを垂らしておくのが賢い使い方だ。

トシ 5KB エサ9エサ7に相次ぐバイトがあるのだが、フッキングに持ち込めず悔しい思いをしていると、バックシートではエサ8でJP1匹、小バラ2匹を立て続けに釣り上げ、ロングAに交換して小バラ1匹追加した。これを見て私もエサ8に交換。この僅かな大きさの違いが、釣果を結構左右する。ルアーを交換して2投目で40cmの小バラをキャッチ。川のコーナーや小川の合流点、ウイードエッジ等の要所要所でアンカーを降ろしてキャスト&トウィッチを繰り返すと、面白いぐらいにバラマンディが反応する。テリーが見つけた魚を私が横からルアーをキャストして46cmをキャッチ。続いて僅か25cmのセイゴサイズをブチ抜いた直後に65cmが躍り出た。

〜 答えは寄生虫に 〜


バラ65cm 3KB 65cmのバラマンディがボートデッキで暴れた際に何か飛んできた。足元に落ちた白い物体を拾おうとして手を伸ばしたが、思わず「うわっ」と声を上げ反射的に手を引っ込めた。良く見るとフナムシの様な、ダンゴ虫を平たくして大きくした様な白い虫・・・。60cmUPのバラマンディより、虫の方に興味が行ってしまっている私に、テリーが笑いながら「エラに寄生するシーライスだ」と正体を教えてくれた。釣りビジョンの人気番組「関西発海釣り派」で井阪祐子さんが、サヨリのエラに寄生している虫を発見して騒いでいた事を思い出す。まさかバラマンディにも寄生するとは知らなかった。

 そもそも、シーライスは淡水を嫌う寄生虫だが、魚が釣れた場所は河口から15kmほどの地点。この65cmの良型バラマンディは、海から上がってきて間もない魚だと推測された。これより上流では30〜40cmの産卵に関係がないラッツサイズばかり。延々と下ってきて寄生虫が付いている65cmが釣れたということは、デカイヤツらはこれより下流域に潜んでいる可能性が大きいと推測できる。ここを境に下流で同じサイズが釣れ始めれば、その仮説が立証できるかもしれない。

 エサ8で次なる魚を狙っていると直ぐに答えが返ってきた。バイト直後に水面が割れ、激しいヘッドシェイクを連発。サイズは60cmに満たないが、そのパワフルさには驚くばかり。徐々に魚を引き寄せボート横へ浮かばせる。頃合いを見計らってテリーがハンドランディング。十分濡らして温度を下げたデッキに横たわったのはグラマラスな55cm。これぐらいのサイズの方が、ファイトが派手で面白い事をあらためて実感した。まだ魚がいそうなのでキャストを再開。テリーはシュガーディープで魚を探していたが、反応したのは私のエサ8。この魚も強烈なファイトで水面を暴れまくった。デッキ上を右に左にと動きながら魚の動きに対応し、無事に55cmをキャッチした。

テリー&バラ 6KB時計の針は午後5時を示す。竿が振れる時間は残り30分程度しかない。デカバラ狙いで塩分濃度が高い下流域へ行きたかったが明日にお預け。テリーが「ラスト・ポイントだ」と指差した小川が流れ込むエリアで、時間一杯まで粘ることにした。狙いどおりポイント到着2投目でDDパニッシュに46cmのバラがヒット。2匹目を狙ってトウィッチをしているとガッツッと同サイズがルアーを引ったくりヘッドシェイクを連発した。一方、ターポンの姿を見つけたテリーはマンズS5+で40cmUPのターポンを3匹キャッチ。ターポンはウンコをブリブリ垂れ流しながら、ボートデッキで暴れる。ルアーを咥えたままなのでとても危険。大人しくなるまで少し待ってからリリースした。

 本日はターポンで締めくくって納竿。1匹だけキープしていた私が釣ったバラマンディを、テリーが器用に手早くさばく。エラの奥にナイフをザックリと差し込んで締めてから、ウロコを取ってはらわたを取り出す。続いて頭を落として3枚におろし切り身をお持ち帰りとした。はらわた等は川に放り投げて鳥や魚達のエサにする。片付けが完了し、ボートで少し走って午後5時半にボートランプに戻った。

〜 ちょっと難しい話だけど 〜


デントリーリバー 5KB 夕暮れが迫る中、ケアンズに向って突っ走る。ハイウェー付近の牧場では日本に輸出されるかもしれない放し飼いの牛達がウロウロしている。その飼養頭数は以前に比べ随分多いように思える。米国で発生したBSEの影響で日本への米国産牛の輸入がストップ。その代わり豪州産牛肉が日本に沢山入っているので、飼っている頭数が増えているのかもしれない。

 現在、日豪FTA/EPA交渉も始まった経過もあり、豪州の農業から目が離せない状況であることを多くの人は知らない。交渉が合意に至れば、牛肉や乳製品、小麦やお米が国内産よりも遥かに安い価格で日本に入ってきて消費者は安い価格で農産物を購入できる。しかし、国内の農家は大打撃を受けてギブアップ。農家は多額の補助金(国民の税金)を貰わないと、国産農産物を供給できない事態に陥る心配があるのだ。

 社会・経済のグローバル化により、昔では考えられなかった様なニュースが突然流れたりして驚くことが多い。貧弱な英語力でテリーから聞き取った話しが、米国とシンガボールの企業によるカンタス航空の買収話。今まで知らなかったのだが、QANTASとは、Queensland And Northen Territory Air Surviceの頭文字を取って名付けられたとのこと。カンタス航空は豪州の広大な大地を飛行機で結び、長い間、「世界で最も安全な航空会社」と呼ばれた非常に優秀な会社。「外国の企業に買収されてたまるかっ」てな感じで、クイーンズランド州民が憤慨しているのが良く判る。

 既に前述したが、釣りの世界でも同じ。日本国内メーカーのルアーの多くが中国などのアジア製で、豪州の個性的なルアーも気がつけば同じ運命を辿っている。リールではダイワやシマノの評価が非常に高く海外では釣り人達から憧れの的。今や諸外国との協調と競争なくして経済が成り立たなくなっているようだ。遠征の釣行話から少し外れ、難しい話しになってしまったが、近所の釣り場で竿を振るだけではなく、日本から飛び出して外の空気を吸って見聞を広げることも大切ではないかと思う。

3日目の釣果結果

TOSHI

TERRY

バラマンディ

17


ジャングルパーチ

13


マングローブジャック



ターポン





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