鈴木祥子のpinkmoon studio(4月放送分)


第一回放送概要('98.4.4放送)祥子さんの自己紹介とpinkmoon studioについて語る
第二回放送('98.4.11放送)太宰治について語る
第三回放送('98.4.18放送)梶井基次郎について語る
第四回放送('98.4.25放送)少女漫画について語る
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鈴木祥子さんのアルバムのページ


第四回放送('98.4.25放送)


こんばんわ、鈴木祥子です。
えー、さっそくお葉書を御紹介致したいとおもいます。
浜北市にお住まいの竹内なおみさん。どうもありがとう。

今晩は、祥子さんの番組にお便りをするのは多分初めてだと思います。
以前、三重や千葉の方で番組を持っていらした時は聴くことが出来ず、悔しい思いをしましたが、
今回地元のFM局、しかも自分が通勤途中に毎日前を通る建物という余りに身近なところからON AIRされるということを知り、
うれしいやらびっくりするやらで、初回の放送日にはなんだかおたおたしてしまいました。
書きたいことは沢山あるのですが、今回はひとまず御挨拶ということで。
これから毎週土曜日の夜を楽しみにしています。

という、えー、竹内なおみさん、どうもありがとう。
そうなんですね。えー、ちょっと、あの、また是非お便りしてみて下さい。

さて、今月からスタートした鈴木祥子のpinkmoon studio、
毎月音楽と音楽以外のカルチャーの中からテーマを決めて、テーマにそって番組を進めていきます。
今月は本をテーマにお送りしていますが、
えー、今夜は少し趣向を変えまして少女漫画の話をしたいと思っています。
最後までどうぞよろしくお付き合い下さい。

それでは今夜のオープニングナンバーです。
イッサムノーバで
『Truethly』。

♪♪♪♪♪

お送りしたのは、イッサムノーバでアルバム「ファイヤークラッカー」から『Truethly』でした。

鈴木祥子がお送りしていますpinkmoon studio、今月は本をテーマにお送りいたしています。
えー、今夜は少女漫画の話をしたいと思います。
えー、お葉書が、浜松のラジオネームゆみさん、14才の方です。お若いですね。

えー、今晩は、はじめまして鈴木祥子さん。 はじめまして。
私お勧めの本ならいっぱいあります。
漫画なんですけど、一条ゆかり『正しい恋愛のすすめ』や三原みつかず『ハッピーファミリー』です。
どっちもとってもおもしろいです。是非紹介して下さい。
『ハッピーマニア』も私すきですというゆみさんからなんですけど、
14才という年齢にしては、一条ゆかりさんというのはとてもしぶいですね。
あの、『ハッピーファミリー』というのは私見た、読んだことないんですけど、ちょっとこれから読んでみたいと思います。

一条ゆかりさんなんていうのはですね、私がリアルタイムで読んでいた、
あ、それともこれ、一条ゆかりさんのこの『正しい恋愛のすすめ』っていうのは近作なのかな?最近の作品なのかな?
あのとってもキャリアのある少女漫画家の方ですよね。
私の時はですね、『デザイナ』とかね、『ティータイム』とか、そういうのを夢中になって読んでました。
すごい華麗な絵柄の人でね、あの、すごいドラマチックな華麗な世界なんですよね。
えー、他にですね、私が夢中になって、えー、そうだなぁ、14才5才とかの時に読んでいたというと、
うーん、そうですね、岩館真理子さんとかですね。
あと、もうちょっと年齢が下の時だけど、
陸奥暎子さんとかそのやっぱ、メルヘンチックな作家がすごく好きでしたね、やっぱり。
女の子なら誰でも通る道、なんでしょうか、あの年代の人は。
で、もっと下って、下の方、私が、うーん、小学校1年2年の頃に、
あの「』ベルサイユの薔薇』とか』エースをねらえ』、池田理代子さん、とか、山本澄香さん、
そういうベル薔薇とかエースをねらえのブームがありまして、
それからだんだんこうメルヘンチックになってきて、その、うん、少女漫画自体がね、
で、岩館真理子さんとかですね、のもすえこさんなんかの作品を読んだりしていました。
大島弓子という人も、えー、その頃から活躍している人ですが、
大島弓子は私は何故かこう、あのリアルタイムでは全然読んでいなかったんですね。
すごい有名な人なのになんでだろうなと自分でも不思議なんですけど。
最近になって、あの『綿の国星』って言う、あの有名な、ちび猫が出てくるあの『綿の国星』を、
もうこんないい大人になってから読んで、すごい感動して(苦笑)。
で、大島弓子再評価の波が自分の中に押し寄せまして、
で、全部せんじゅうをそろえて読みふけるという、
すごいヘビーな、あの、読み、大島弓子読みになってしまったという。
そんな感じが私の少女漫画歴ですね。
だからどっかすごく、バーンと抜けてるブランクの、全然読んでなかった時期っていうのがあって、
で、えー、また最近読みはじめている。
なんというか少女漫画っていうのは、うーん、まあ夢の世界とかポエムの世界だったんですね、
最初は、こう女の子の夢、みたいな。
で、最初はすごく創世紀の少女漫画って言うのは、もう『ロリーの青春』とか、
ほら、しょ、あの主人公が全部、あの向こうの人だったりする、外人だったりする。
あのそれがだんだんこう日本の、うーん、もう身の回りの、自分の日常みたいなのを描くというのに変わってきて、
最近またすごく、あのー私、やすのもえこさんと言ってましたけど、ごめんなさい、
あんのもえこさんの間違いです、ごめんなさい、
あんのもえこさんの漫画なんかはもう、
女の子の夢なんて言うよりもう、女の病理をついているっていう位のそういう世界に変わってきて、
もう少女漫画というカテゴリーには入らないですよね。
だからその、社会の流れと同時に変わっていくものでもあるなあなんて思っているんですが。

え、それじゃ、ここで1曲聴いてください。
ローラ・ニーロで『ルー』
♪♪♪♪♪

お送りしたのは、ローラアニーロで『ルー』でした。
鈴木祥子がお送りしているpinkmoon studio、
えー、今日は、えー、少女漫画の話をしていますが、
えー、最近読んでいる、読んで衝撃を受けたのはですね、
先程ちょっと話にも出て、あのお葉書をくれたゆみさんも、あのちょっと触れてましたが、
あんのもえこさんの『ハッピーマニア』っていうすごい有名な漫画がありますけども、
これ最近のなのかな?あの『脂肪と言う名の服を着て』っていう、
これなんか女性雑誌かなんかに連載されていたものが単行本になっていると思うんですけど、
ダイエットの話なんですね。
で、あの、のこっていうOLの女の子が、あの太目な女の子が、
すごいコンプレックスを持っているんですよ、自分の体型とかに。
それで、痩せてきれいになりたい、彼のために、
もう私を馬鹿にした人たちを見返してやりたいっていって、
ものすごいダイエットに、えー、過食症からものすごいダイエットをして今度拒食になっちゃうんですね。
で、その過食から拒食にいきなりリバウンドして、
最後はまた元の、あの、過食に戻ってしまう、とってもヘビー(苦笑)な話なんですけど。
でも女の人だったら、これはすごい身につまされるところがあるんじゃないかと思うんですね。
あの、前のね、少女漫画とかだったら、女の子を対象にした漫画だったら、
そういう太目のコンプレックスを持っている女の子が一所懸命努力して、
痩せて、きれいになりました、ハッピーエンド!みたいな。
そして、素敵な彼氏も出来てみたいな、そういうふうに、こうなんていうんでしょうね、
ある種、うーん、ハッピーエンドで、こうなんていうかな、
すべてはこう上手く解決して幸せに暮らしましたっていうところで、
もしかしたらねぇ、終っていたかもしれないところを、
この人は、更に拒食症になって、更にリバウンドして、また戻って、
日常はそして続いていくみたいなものすごいヘビー(苦笑)な話なんですけど。

そういう風にね、あの変わっていったたということ自体が、
で、それを表現しているのが女の人であるということが、
すごくこれは、あのー、社会の変化だなあって思っちゃうんですよね。
あの、ほら、なんていうんでしょうねぇ、
女の子はこう夢見がちでこうポエムなんか書いちゃったりして、
でー、将来は素敵な白馬に乗った王子様みたいな人が現われて、
王子様に、こう、が、あのその後ろに乗って二人して去って行きましたなんていう、
なんかそういう女の子幻想みたいなものがありますよね。
まあ未だにあるのかもしれないけど、そういうものを、
もう本当に具現化したのが少女漫画だったような気がしたんですけど。
それがだんだん日常レベルの話になってきて、
自分の日常、女の人自身が表現するっていう場になってきて、
そして、そうですね、なんていうか、こう最近になってくるともう、
もっとヘビーになってくる。
これ本当に社会状況と本当に結びついているなぁと思ってしまうんです。
でー、私も高校生の時、ダイエットにはまったことがあって、
一気にリバウンドして過食から拒食とかなったことがあるんで、
すごく身につまされちゃう話なんですね。
で、なんかこう期待されている、周りから期待されている自分とか、
周りから期待されている女の人像、女性像みたいなものと、
自分の実際の姿がどんどん噛み合わなくなってきてしまうという、
そういう、女にはそういう病理があるなと思うんですが、
それを見事に描いているという、そういう漫画なんです。
おもしろいので是非読んでみてください。

という訳で、今夜は少女漫画、コミックを取り上げてみました。
鈴木祥子のpinkmoon studio、
今月は本をテーマにしてお送りしてきましたが、如何でしたでしょうか?
えー、ちょっとあの、まだまだお話したいこともいっぱいあったんですが、

島田市のペンネームくるみさんからすごい奇麗なお葉書を頂きました。

私はOLですが、仕事があまりにも暇で(笑)、毎日のように読書にいそしんでおります。
かなりの量を読んでまいりましたが、それ故手当たり次第の読書の仕方になっています。
今回お勧めするのは、えくにかおりさんの『落下する夕方』です。
そのタイトルがすばらしいなあと思うんです。
作品の持つリズムというか呼吸というか、時の流れ方がそのタイトルにぴたりとはまり、
訳もなく切ないような寂しいような、あの独特の色を、色の空気、分かっていただけるでしょうか?
水彩画みたいに少しずつ色が混ざって、着実に夜に向かっていくあのほんの少しの時間が、
そのまま言葉に染み込んでいます。
是非御一読願います。

というお葉書を頂きました。有り難うございます。
他にも好きな作家、安部公房『砂のおんな』、しぶいですね(笑)
他の作品はいまいちは入り込めず、と書いてありますが、
それではまたお便りしますというくるみさん、どうも有り難うございます。

そうなんです。私もですね、時間があれば毎日のように読書にいそしんでおります。
本当に場当たり的な手当たり次第な、でも、そういう読書の仕方って楽しいですよね。
なんかこういうジャンルしか、音楽もそうだけど、
これしか聴かないとかこれしか読まないとかじゃなくて、
もうどんどん、もう本当にそのタイトルがいいとか、装丁がいいとか、
なんかわかんないけどひかれるとか、そういう感じでどんどん読んでいって、
その中から自分にピッタリくるものを選び出していくみたいな、
そういう楽しみ方がやっぱ一番いいんじゃないかなぁと思います。
えー、本はですね、まあ、コミックも、小説も含めて、私にとってやっぱ人生の友ですね。
あの、これがなければ生きていけないという、
で、ふっと楽になったり、違う世界に連れていってくれたり、
うーん、そういうこうトリップが出来る、本というのはそういうものだと思います。
読書離れとか言われますけどね、若い人の、
でも、あーのー、一回この世界に入り込んでしまえば、
本当に日本語が読めてよかったっていつも思っちゃうんですよ。
あのー、なんていうかな、
こう日本語の書いてある字を読んでいくっていうのは、その、活字を見ているだけでも、
すごくその活字の発するものっていうものが、先程くるみさんのお便りにもありましたけど、
言葉の発するものっていうのが、すごく美しかったり、こう、ねぇ、して、
で、すごくなんていうんでしょうね、そういう、ゆったりした気分になることが出来る。
読書はいいですよ。
あの、あんまり本は好きじゃないという人も是非、どうですか?
ゆっくりした時間に身を任せてみませんか?
という感じで、それでは今日のラストナンバーをお送りしたいと思います。
私、鈴木祥子の曲で『プリヴェ』

♪♪♪♪♪

というわけで鈴木祥子のpinkmoon studio。
そろそろお別れの時間が近づいてきましたが、えー、来週の、ごめんなさい、来月のテーマは写真です。
好きな写真集、好きな写真家について、えー、そうですね、
それとか自分でも写真を撮っているとか、えー、写真にまつわる話を葉書に書いてどんどん送ってください。

宛先は
郵便番号 430-8575
K-MIX 鈴木祥子のpinkmoon studio までです。

それからこの番組と同じpinkmoon studioという私が編集しているインターネットのホームページがありますので、
インターネットが見られる環境を持っていらっしゃる方は是非アクセスして見てください。
アドレスは
http://www2.odn.ne.jp/pinkmoon-studio
です。
本をテーマに色々話てきましたが、どうだったでしょうか?
えー、また新たに読書の喜びが見つかるといいですね、自分を含めて。
えー、それではまた来週この時間にお逢いしましょう。
鈴木祥子でした。
さようなら。




第三回放送('98.4.18放送)


こんばんわ、鈴木祥子です。
えー、桜の花も関東地方ではもう散ってしまいましたけども、
えー如何お過ごしですか。
私は花が、桜がすごく満開の時に、満開でもないかな?
えー、ちょっと葉桜になりかけた位の頃に花見に行ってきました。
花見っていっても、そんなあの、なんて言うか、
ビニールシートを持って行ってお弁当を食べたり、
カラオケを唄ったりって言う派手な花見じゃなくって、
ただ家の近くの桜並木のところをずーっと歩いただけなんですけど。

なんかこう、桜の花の散っているあの情景っていうのが、
あの満開っていう情景もいいんですけど、
あのー、はらはらはらはら散っている情景っていうのがすごくいいですね。
私はすごく好きです。
なんかこう懐かしい感じがする。
春っていうのはなんか他の季節と比べて懐かしい感が強い季節、
私にとってはそうなんですけど、
特にあーいう、ちょっと葉桜になりかけて、
風がちょっとはらはら散っている感じくらいの桜がなぜかとても好きなんです。

えー、さて、今月からスタートしました鈴木祥子のpinkmoon studio、
毎月音楽と音楽以外のカルチャーの中からテーマを決めて、
テーマにそって進めていっている訳なんですが、
今月は本をテーマにお送りしております。
えー、今夜はですねぇ、日本純文学好きの私としてはこの人ははずせないという、
作家の梶井基次郎の話をしてみたいと思っております。
最後までどうぞよろしく。

それでは今夜のオープニングナンバーです。
スマッシングパンプキンズのギタリスト、ジェームス・イハのソロアルバムから
『Be Storong Now』。

♪♪♪♪♪

お送りしたのはジェームス・イハで『Be Storong Now』でした。

鈴木祥子がお送りしていますpimkmoon studio、
今月は本をテーマにお送りしています。
そして今夜は作家の梶井基次郎について話してみたいと思います。
えー、梶井基次郎という人はですね、
1901年大阪に生まれました。小説家です。
東大英文科中退。
志賀直哉の影響を受け、簡潔な描写、詩情豊かな小品をたくさん、
いやたくさんでもないですけど残しました。
有名な作品は『檸檬』とか『城のあるまちにて』『冬の日』等、
長編というのは書いていない人なんですよね。
全部がこう、小編、小品、
えーそう、そうなんですけど、すぐ読めちゃうんです。
すぐ読めちゃって、とてもこうしみとおってきやすい文体、すごくわかりやすい。
えーこの人はですね、結核で、確か結核で、31歳でなくなっているんです。
1932年に。
だから、すごく短い生涯で、
こう、生きいそいで、すばらしい作品をたくさん残した、そういう人なんですけど。

あの、『檸檬』てあの難しい漢字のあの『檸檬』、
あのー、『檸檬』って教科書に載っていませんでした?
私が中学時代にですね、あの梶井基次郎の『檸檬』が載っていたんですね。
なんかこうこの人の小説って半分、うーん、随筆みたいな、
自分の心理状態とか情景描写とかが美しいんですよね。
それをずっと、ずーっと書いてあって
あの、丸善、丸善ってほらでっかい文房具屋さんに、うーん、この主人公が入って行って、
で、ほら、最後は檸檬を八百屋さんで、果物屋さんか!、1個買って、
丸善のその誰もいない売り場で、
画集とか写真集とかたくさんこうばらばらにして積み重ねて、
その上に檸檬を置いて帰ってくる。
それがこう、自分がしかけた爆弾みたいだっていう。
で、もし、自分が出て行った後にあの檸檬が爆発して、
爆発するのだったら、なんかどんなに楽しいだろうと空想しているという、
とてもなんていうか空想的でですね、
うーん、幻想的って訳じゃないんですけど、不思議な作品だと思いましたね、子供心に。
あの、子供っていっても中学2年か3年の時だったんですけど。
でも、今思うと、なんかこう、なんも、何も味わってなかったんだなぁって思います。
教科書にせっかく載ってても、ねぇ、
梶井基次郎を中学生が読んでも、これは豚に真珠だったかと今は思います。
まあ、本当に早熟だった人は味わうことが出来るだろうけど、
私は大人になって読んで改めてすごく魅力をたくさん発見したという感じです。

えー、そいじゃあここでですね、1曲聞いて下さい。
私は梶井基次郎とこの人がすごくだぶるんですね。
あのー、なんていうかな、そう、この人もすごく早逝しちゃった人ですが、
生き急いで、死に急いだ感じとか、すごく、とっても純粋で、
うーん、なんていうのかな、すごい、感情って淡々としているんだけど、
感情がすごく渦巻いているような、そういう作風が、
この人はシンガーソングライターですが、
先週もかけたかな?
この番組のpinkmoon studioのタイトルは
この人の曲から取りましたっていう話をしたと思いますけど、
えー、もう一回聞いて下さい。
ニック・ドレイクで「Time has told me」

♪♪♪♪♪

お送りしましたのは、ニックドレイクで「Time has told me」でした。

鈴木祥子がお送り致しておりますpinkmoon studio。
今夜は梶井基次郎の話をしています。

えー、梶井基次郎のどんなところが好きかって言うと、
私はこの人の感情と、感情がすごく渦巻いているその感情と、
リリカルな詩情と、それから旅情が好きです。
この3つの要素が私にとっての梶井基次郎なんですけど、
うーん、何て言うかですね、あの、説明するのすごく難しいんですよね。
この人の小説ってストーリーがどうこうっていう訳じゃなくって、
その、本当に情景の描写とか自分の心理描写がすごくおもしろいんで、
例えば、ちょっと長くなっちゃうんですけど、
朗読するとですね、

「なぜだかそのころ私はみすぼらしくて美しいものに・・・」

とかね、こういうフレーズとかがすごく好きなんです。
私も良くそういうことするんですよ。
あの(笑)、現実の自分を見失う、ふっと見失っちゃう瞬間ってあるでしょ。
なんか、街とか歩いてたりですね、
なんかこう、桜見てたりとかでも何でもいいんですけど、
ふと、現実から浮き上がって、うーん、
なんか知らない所にいるような錯覚って、
本当にたまにありませんか?
私だけ?(笑) いや、そんなことありませんよ。
えー、誰しもそれって、ふっと入るエアポケットのような場所って言うか、
なんでしょうねぇー、
そういうところにね、なんか詩情ってものがあるんじゃないかって思ったりするんですよ。
現実と非現実にふっと迷い込んでしまう瞬間みたいなもの、
そういう詩情がこの人の小説にはとってもあふれているんですね。
書いてあることはですね、暗かった、とっても暗い内容だったりするんですね。
この人は胸が悪かったり、生涯病気に悩まされた人で、
でぇ、すごい孤独な人なんです。
だから、暗いといえば暗いんですけど、
その中にすごいこういうきらきらしている詩情がたくさん詰め込まれていて、
読んでいると本当に旅しているような、
旅、本当に自分が移動して行く旅でもあれば、
そういうマインドトリップっていうか、心がどこか遠い過去の情景とか、
うーん、全然わからない見たことのない夢の中の風景でもなんでもいいんですけど、
そういうところに心が旅していくような、
そういう、そういう意味での旅情が詰め込まれているような気がするんですね。
で、現実っていうのはこんなに美しいのかとこの人の小説を読んでいると思っちゃうんです。
で、現実っていうのは全然本当は美しくないものなんですけど、
どちらかっていうと、つらくて、醜くって、汚いもの(笑)だったりもするんですけど、
でも彼の世界、描く世界って言うのは美しいなぁって思います。
この人にとって、現実は本当につらかったと思うんですよね。
あのぉ、肉体的にもきつかっただろうし、
それをこう、現実がつらければつらいほど、それを小説で美しく捕らえ直さないと、
この人は生きられなくて、それがこの人にとっての生きることだったような、
切羽詰まった、ある種切実なものっていう中に、
きらきらした詩情がたくさん詰まっている、
そういうのが梶井基次郎の魅力じゃないかと思います。
是非、一度読んでみて下さい。
というわけで、今夜は梶井基次郎の話をしてみました。

鈴木祥子のpimkmoon studio、今月は本をテーマにお送りしております。
番組を聞いているあなたも好きな本やお勧めの本がありましたら、
葉書に書いて番組宛てに送って下さい。
宛先は
郵便番号 430-8575
K-MIX 鈴木祥子のpinkmoon studio までです。
お待ちしております。

それじゃあ、こん(笑)、今月じゃあないですね、
今夜のラストナンバーです。
私、鈴木祥子の新しい曲です。
『プリヴェ』

♪♪♪♪♪

というわけでお送りしてきました鈴木祥子のpinkmoon studio。
そろそろお別れの時間が近づいてきましたが、
この番組では皆さんからのお葉書をお待ちしています。
宛先は
郵便番号 430-8575
K-MIX 鈴木祥子のpinkmoon studio までです。

今月のテーマ、本に関するお話、取り上げて欲しいテーマや、
その他私への質問等何でもOKです。
どんどん送って下さい。

それからpinkmoon studioというこの番組と同じ名前の
私が編集しているインターネットのホームページがありますので、
インターネットが見られる環境を持っていらっしゃる方は
是非アクセスして見てください。
アドレスは
http://www2.odn.ne.jp/pinkmoon-studio

pinkmoon studioはすべて小文字です。

えー、それではまた来週この時間にお逢いしましょう。
えー、今日は梶井基次郎の話しなんかしてみましたけど、
えー、楽しんでいただけましたでしょうか?
お相手は鈴木祥子でした。
それじゃあまた来週、さようなら。




第二回放送('98.4.11放送)


「こんばんは、鈴木祥子です。春ですねぇ。」
「春は好きですが、はかない気分になります。」
「桜が散っていく様や、精神的にそう思わせる何かがあるのかもしれません。」

本日最初の曲は。
『プリヴェ』(6月5日発売)

♪♪♪♪♪


今月のテーマである本の話題に関して

祥子さんの好きな太宰治について。
太宰治に出遭ったのが24歳の時。
音楽や恋愛に対して色々悩んでいた時期だそうです。
そういう状況下だったこともあるためか、心にしっかり刻み込まれたとか。

太宰作品のテーマは「コンプレックスと甘え」
プラス思考の人はどちらかというと一笑してしまうかもしれないけど、
その当時の祥子さんには共有感があったとのことです。

この時期、旅をしながらよく読んでいた。
車窓の風景を眺めながら読むとそのイメージとシンクロして、強烈な印象が残る。
これが私にとっての旅の醍醐味で、好き。

で、2曲目
『ピンクムーン』(ニック・ドレイク)

♪♪♪♪♪


『津軽』
昭和19年に書かれた太宰の故郷である場所の紀行小説。
この本に書かれている道程を辿って、これまで唯一の一人旅をした。
夜行列車に乗って出かけてほぼ一週間過ごしてきた。

この作品の最後に「元気でいこう、絶望するな」のような一文があるが、
これが現在の自分のモットーになっている。

お便り募集の告知。

3曲目
『tell me why』(ニール・ヤング「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」より)

♪♪♪♪♪


再びお便り募集の告知
〒430-8575 K-MIX「鈴木祥子の pinkmoon studio」
あと、HPの告知もされていました。

太宰作品をこれから読もうと思う人は、
中期作品がお薦め。
『人間失格』等から読むと人でいることが厭になったりする可能性あり。
中期作品にはユーモラスで希望に溢れる作品多しとのことです。




第一回放送('98.4.4放送)


「こんばんは、鈴木祥子です。」この第一声で番組はスタートしました。

「初めてお会いした人も、依然会った人も・・・・よろしくおねがいします」 と多少久しぶりの放送のための緊張感からか支離滅裂気味(笑)に番組は進行します。

で、いきなり最初の曲です。
記念すべき第一曲は『月とSNAPSHOTS』

♪♪♪♪♪

フルコーラス流しました。

曲の後に番組名である pinkmoon studioの名前の由来についての話です。
祥子さんのホームページにも名前のあがっているニック・ドレイクの曲名から拝借したとのこと。

で、2曲目
『恋のショットガン(懲りないふたり)』

♪♪♪♪♪

これもフルコーラスです。

曲名を再度告げた後、自己紹介をはじめました。
'88 single『夏はどこへいった』、album『VIRIDIAN』にてデビューしたこと。
ワーナーに移籍して最初のアルバムが完成したこと。
鈴木祥子的にパワフルに出来た作品でとても気に入っているとのことです。

自分が好きなものを色々上げられました。

好きな小説家:太宰治、梶井基次郎、etc...
好きな映画監督:ゴダール、フェリーニ、etc...
好きな映画:「道」、etc...
好きなサッカーチーム:ジュビロ磐田
  • なかでも中山雅史、スキラッチが好きとのこと
  • でも、スキラッチが退団したことは知らなかったようです
    好きな写真家:アラーキー(荒木氏)

    荒木氏の写真集『私日記 過去』の説明をはじめますが、これが新曲への振り。
    この中で私的という表現があるのですが、これが仏語で「プリヴェ」となります。

    「あなたの想いの中で私は存在するのよ」的なことを述べた後、新曲紹介です。

    『プリヴェ』(6月5日発売)

    ♪♪♪♪♪

    これも当然のことながら、フルコーラス放送されました。
    スローバラード調にとても色っぽく歌っている印象を受けました。
    あまり説明しちゃって先入観を与えてもいけないのでこのくらいしか言及しないでおきます。

    毎月テーマをもって番組を進めていくそうです。
    今月のテーマは「本」
    好きな本、小説家、漫画家等に関して色々話をしていきたいそうです。
    テーマに触れたお便り待っているとのことです。
    宛先は

    〒430-8575 K-MIX「鈴木祥子の pinkmoon studio」



    第一回放送概要('98.4.4放送)
    第二回放送('98.4.11放送)
    第三回放送('98.4.18放送)
    第四回放送('98.4.25放送)
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