西日本電信電話/氷見市宇波沖のサーモン養殖におけるICTブイ実証を開始

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 能越ケーブルネット株式会社(富山県氷見市、代表取締役社長:杉岡信之、以下、能越ケーブルネット)、西日本電信電話株式会社富山支店(富山県富山市、支店長:宮﨑俊之、以下、NTT西日本富山支店)、宇波浦漁業組合(富山県氷見市、組合長:荻野洋一)は、宇波浦漁業組合によるサーモン養殖の実証実験を開始するにあたり、漁業のDX推進の一環として、12月20日より養殖における情報通信技術を活用したICTブイの実証を開始いたしました。
1.背景
 日本の水産業は約70年ぶりに漁業法が大改正され、科学・定量的な資源評価をベースにした漁獲規制と資源保護の促進へ向け、大きな転換期を迎えております。水産庁は2027年までに「スマート水産業」を実現し、資源の持続的な利用と水産業の成長産業化を両立させようとしており、その実現にはDX化の実装が必要不可欠です。
 しかしながら、水産業の現場では、ICTブイなどの一部機器の導入は進められていますが、それ以上のDX化については、高コストやデータの秘匿性担保が障壁となり、大きな進展が困難だと考えております。推進のためには、水産資源を見える化し、持続的利用を可能とすることに加え、漁場予測情報の提供や販路拡大、コスト削減など、漁業者にとって直接的なインセンティブが必要だと考えています。
 そのような中、宇波浦漁業組合が実施するサーモン海上養殖実証の話に接し、能越ケーブルネット、NTT西日本富山支店の二社は、この新たな漁法開発へのチャレンジに対し、この事業をICTでサポートすることが出来ないかを検討した結果、ICTブイによる海況環境のモニタリング等を実現する本事業の実施に至りました。

 2.めざす漁業像
 富山湾の多様な水産資源が持続的安定的に利用でき、豊かな食生活を支える安全な水産物が安定供給されるとともに、富山湾の魚の価値向上と消費拡大、販路拡大で漁業経営が安定していることがめざす姿です。
 その理想像に向けて私たちはICTを活用し、操業を効率化しつつ、効率的安定的生産・出荷を実現するとともに、需要拡大に向けたコールドチェーン構築等による販路拡大をサポートしていきたいと考えています。
 加えて、水産業発展のポイントはICT活用により得られるデータの活用だと考えており、取得した海洋ビッグデータの統合・分析による供給予測量と需要量のマッチングを中心としたバリューチェーンの最適化によって、食品ロスの削減や食の安全性を担保するトレーサビリティの実現などの社会課題の解決にも貢献できると考えております。

3.実証内容について
(1) 概要
 宇波浦漁業組合が取り組むサーモン養殖の実証実験に併せ、養殖生簀にICTブイを設置し、漁業者が海洋環境データをスマートフォン等の端末機器で確認することで、養殖実証実験の効率的管理を実現します。
 ICTブイには海水温度や溶存酸素濃度、潮の流速・流向を計測できるセンサーが取り付けられており、陸上にいながらスマートフォン等の端末機器でそれらの海洋データを確認できると同時に、取得した海洋データと養殖魚の生育管理データとの関連性解析を行うことで養殖環境の最適化をめざします。

(2) 実証項目
 ①ICTブイから取得する海洋データのモニタリングによる養殖事業の効率化
 ②ICTブイから取得する海洋データと養殖魚の生育管理データとの関連性解析による養殖環境の最適化

(3) 実証期間
 2021年12月~2022年10月

(4) 場所
 氷見市宇波沖

(5) 各者の役割
 ①能越ケーブルネット:主として地域課題の把握や解決のための各種地域対応およびICTブイの導入
 ②NTT西日本富山支店:主として技術開発力やデータ解析力の発揮による地域課題解決の方策検討
 ③宇波浦漁業組合:ICTブイの設置・メンテナンス及び取得するデータの活用

(6) 導入する技術
 本事業で導入するICTブイは外洋向けブイとなっています。具体的には浮力の向上や、浮遊物との衝突対策としてのブイ本体の強化、フレームの強化などが施されています。
 また、電力利用に制限のある海上での使用となるため、省電力機器を搭載することに加え、小型バッテリーや太陽光発電パネルを搭載しています。
 ICTブイから取得するデータの閲覧に関しても、操作性向上へ向け専用アプリを利用しています。

(7) ICTブイの諸元
 全長:約2.5m、浮体直径:約1.0m、重量:約130kg
 搭載センサー:溶存酸素量、海水温、潮の流速・流向
 

                      ICTブイ全図
 

                      閲覧用アプリ
 

              宇波浦漁業組合の皆さまによるICTブイ設置模様

4.今後の展開について
 本事業で導入するICTブイは将来の理想像に向けた操業効率化の第一歩だと考えており、今後の展開は地域の漁業・水産業関係者の皆さまと連携し、現場のニーズに応えられるものにしていきたいと考えております。
具体的な次の展開としては周辺の定置網漁等でこのICTブイを活用できないかを検討していく予定です。

 

 

 

 

 

 

 

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