狂ったドライバー
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 去年の夏だったかしらね。みんなで車一台に乗って港埠頭までドライブしたの。もう午前二時くらいになっていたかしら。今日のドライバーは友達の彼氏。私と私の彼氏は後部座席でイチャイチャしてたの。埠頭につくまではいままでどおりの楽しいドライブだったわ。
 埠頭に車を停めて、それぞれ二組に別れて散歩。もう彼ったらはしゃいで走り回ってばかりいるんだから。そして適当な頃合いになったからそれぞれ車に戻って、さぁ、これからファミレスにでも行こうということになったの。あの二人も結構楽しんだみたいだったわ。友達の彼自慢のターボ車のエンジンをかけ、いま来た道を逆戻り。走りはじめてしばらく経った時、突然にそれが起こったの。
 友達の彼がね、急にフフフと低く笑い始めたの。みんなが何に面白がっているのかなと思った時、大声で笑い出してね、車を蛇行運転させるの。
 「ちょっと、ちょっと!なにしてるの!あぶないじゃない!!」
 「ハァーッハッハッハッ!ギャハハ!ヒーッヒッヒッヒ!!」
 同じ所をグルグルまわりだしたり、蛇行したり、狂ったとしか思えないような事をするの。さすがに変だと思った私のカレは、後部座席から身をのりだしてあの人をはがいじめにしてね、ギャをニュートラルに入れたりサイドブレーキをかけたりして、なんとか車を止めることが出来たわ。もう、カレったら見直しちゃう!なんて言ってる場合じゃないんだけど。でね、友達のカレはそれでも笑いっぱなし、と思ったら突然ガクッとなって気を失ったの。もうファミレスどころじゃなくなって、友達の家に二人を降ろして私たちも帰ったわ。あっ、車はちゃんと私たちの車に乗り換えたからね、バンパーがバリバリになっちゃった車もいやだし。
 次の日、友達が電話してきたの。彼は車を降りて二人で歩いてて、石ころを何のかわからない祠にぶつけたところからプッツリ記憶が無いんだって。


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