アクセルスペース/アクセルスペース、サステナブルな宇宙ビジネスの実現に向け、衛星のライフサイクル全般をカバーするガイドラインを策定

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 小型衛星のパイオニアであるアクセルスペース(本社:東京都中央区、代表取締役:中村友哉)は、宇宙ビジネスとサステナビリティの両立を目指し、「Green Spacecraft Standard 1.0」を定めました。これは、2022年4月に小型衛星のワンストップサービス「AxelLiner」事業とともに発表した「Green Spacecraft」コンセプトを具体化したガイドラインです。
 今後、衛星のライフサイクルにおいて本ガイドラインを遵守するとともに、サステナブルな宇宙ビジネスが業界標準になるよう、本ガイドラインの普及にも積極的に取り組んで参ります。

Green Spacecraft Standard 1.0とは

 2000年代から宇宙ビジネスを推進してきたアクセルスペースが定める、衛星のライフサイクル全体(衛星システムの企画・設計から製造・運用・廃棄に至るまで)におけるサステナビリティについてのガイドラインです。

本ガイドラインを宇宙機製造アライアンス企業※1とともに今後のAxelLiner事業に適用していきます。

<Green Spacecraft Standard 1.0>
1.Introduction

  1.1 用語

2.For Sustainable Earth

  2.1 グリーン調達

  2.2 グリーン製造・試験

  2.3 グリーン輸送
3.For Sustainable Space

  3.1 デブリ放出の防止
  3.2 運用終了後の廃棄 (PMD: Post Mission Disposal)

  3.3 デブリや他衛星との軌道上衝突回避 (COLA: COLlision Avoidance)

  3.4 SSA機関および他衛星運用者との連携

  3.5 軌道上の物体検出、同定、追尾

  3.6 第三者機関による評価

*全文はコーポレートサイトでご覧いただけます。

https://www.axelspace.com/assets/pdf/sustainability/greenspacecraftstandard_ja.pdf

※1 宇宙機製造アライアンス

アクセルスペースはAxelLiner事業における多様な衛星製造要求に迅速に対応するため、株式会社ミスミグループ本社、由紀ホールディングス株式会社及びキャリムエンジニアリング株式会社と提携し、宇宙機製造アライアンスを構築しています。

いち早く高い基準を示し、実効性のある業界標準構築に貢献

 当ガイドラインは、各国政府や国際機関が提示するガイドラインに示す水準よりも一段高い基準を設定しています。米連邦通信委員会(FCC)が新たに打ち出した運用終了後5年以内に使用済みの衛星を廃棄するルールや、欧州を中心に提唱されている格付け制度である宇宙事業者向けサステナビリティ評価制度SSR(Space Sustainability Rating)にも対応しています。日本大学理工学部航空宇宙工学科の宮崎康行教授と連携し、SSRのアジア太平洋地域における普及等、国際的なガイドラインの策定及び推進にも積極的に関与していきます。

衝突回避に加え、デブリ化の防止策と製造時の地球環境への配慮も盛り込んだガイドライン

 現在、宇宙空間にはスペースデブリが多数存在し、宇宙機に衝突し、軌道環境の安全を脅かす可能性があることから、早急な対処が求められています。既に衝突回避のための宇宙空間の観測や衛星のデブリ化防止・デブリ除去技術の開発などで国際的な調整が進み、国連でも宇宙活動に関するガイドラインが採択されています。

 弊社は2022年春に小型衛星のワンストップサービス「AxelLiner」を発表しました。多数の衛星打ち上げによる宇宙ミッションを促進する立場として、スペースデブリを増やさないことに加え、宇宙機製造の際の環境負荷を可能な限り削減するため、「Green Spacecraft Standard 1.0」の策定に至りました。当ガイドラインは、宇宙のサステナビリティで常に焦点となるデブリ化防止装置の搭載だけでなく、衛星の設計段階から宇宙空間でのミッション終了後までの衛星プロジェクトのライフサイクル全体において、地球上と宇宙空間の環境への負荷を最小限に抑えるための基準を幅広く盛り込んでいます。これはおよそ15年にわたり小型衛星の設計・製造から打ち上げ・運用を行ってきた弊社が、将来にわたりお客様にサービスを提供し続けるためには、プロジェクトライフサイクル全体を考えた幅広い対応が必要と考えるからです。

 しかし、ガイドラインを定めるだけではサステナブルな衛星ビジネスは実現できません。各基準を満たすための設計製造方法については弊社において確立しつつあり、そのうちの一つが、任務終了後の衛星を軌道上から速やかに離脱させ、大気圏に再突入させるデオービット機構「D-SAIL」です。

アクセルスペースの「小型衛星用膜面展開型デオービット機構(D-SAIL)」​​。人工衛星の運用終了後に起動し、大きな膜面を展開、大気圏への突入の短縮をはかる機構です。アクセルスペースの「小型衛星用膜面展開型デオービット機構(D-SAIL)」​​。人工衛星の運用終了後に起動し、大きな膜面を展開、大気圏への突入の短縮をはかる機構です。

 D-SAILについては、2022年10月に軌道投入に失敗した「革新的衛星技術実証3号機」の実証テーマの再チャレンジとして、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げを予定している革新的衛星技術実証4号機の実証テーマに採択されており、今後の弊社衛星への本格的な搭載に向け軌道上実証の機会を最大限に生かし、開発システムの十分な検証を行う予定です。また、当ガイドラインについても、技術の進歩や業界内での対話を通じてアップデートしていく予定です。弊社は今後、環境先進企業として地球および宇宙の環境に配慮した事業活動を行いながら、業界全体のサステナビリティへの取り組みをリードしていきます。

アクセルスペース 会社概要

代表者:代表取締役CEO 中村 友哉(なかむら ゆうや)

設立:2008年8月8日(アクセルスペースホールディングスは2020年3月)

所在地:東京都中央区日本橋本町3丁目3番3号 Clipニホンバシビル

資本金等の額:8,050百万円(資本準備金を含む)

主な事業内容:小型衛星による地球観測事業、小型衛星等を活用したソリューションの提案、小型衛星及び関連コンポーネントの設計及び製造、小型衛星の打ち上げアレンジメント及び運用支援・受託

https://www.axelspace.com/ja/

 

 

注目記事:MVNOとは?初心者にもわかりやすく解説 「本当に安くなるの?」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。