シャープ/産学連携の研究開発が、5G-Advancedの国際標準仕様に採択

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移動通信規格全体における本研究成果の位置付け

第5世代移動通信システム(5G)の機能向上、用途拡大に貢献

移動通信規格全体における本研究成果の位置付け移動通信規格全体における本研究成果の位置付け

シャープ株式会社(以下、シャープ)、株式会社KDDI総合研究所(以下、KDDI総合研究所)、国立大学法人京都大学(以下、京都大学)、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)の4者の研究開発成果が、本年9月15日に、「3GPP RAN plenary(※1)」にて5G-Advancedの初版として策定されたリリース18の物理レイヤーの標準仕様に採択されました。これは、4者が共同で行った5G-Advancedの標準採択を目的とした無線リンク(※2)技術の研究開発や、移動通信システムの仕様を策定する国際プロジェクトである3GPP(※3)への研究開発成果に基づいた技術提案、同プロジェクト内での合意形成推進などによるものです。

5G-Advancedは、5Gの機能を拡張させたもので、より途切れにくく、より大容量な高速・低遅延の送受信が可能になる通信環境の構築や、接続可能エリアの大幅な拡大を目指すものです。これらにより、メタバースや自動運転、XRなどへの活用が期待され、たとえばメタバースでは、高精細な映像や3Dモデル、ホログラムデータを即座に表示できるようになるため、没入感の向上が見込まれています。

この4者による研究は、総務省「戦略的情報通信研究開発推進事業 国際標準獲得型研究開発」事業として実施されたもので(※4)、アンテナ技術の拡張によるデータ送受信の容量拡大や低遅延化などの性能向上や、バスなど多人数で利用する乗り物での移動中の安定した送受信、中継機能を持たせた自動車同士のデータリレー伝送による通信エリア拡大の実現可能性などを検証しました。その結果を、3GPPの無線アクセスネットワーク部会(※5)で70件の寄与文書として提案し、30件(※6)の技術提案が採択されました。

4者は、今後も共同で5G-Advancedをはじめとする次世代移動通信システムの研究開発を継続し、通信性能向上やエリア拡大だけではなく、通信の進化による、利用領域の拡張にも取り組んでまいります。

※1 Third Generation Partnership Project RAN plenaryの略称で、3GPPが仕様を規定する全体会合のこと。

※2 無線の通信回線のこと。

※3 Third Generation Partnership Projectの略称。1998年に設立され、第3世代移動通信システム(3G)以降の仕様検討・作成を行う。各国の通信事業者、ベンダーなどが参加し、無線通信システムの技術・性能などを規定した世界統一規格を策定する標準化を行うプロジェクト。

※4 令和3年度の公募で「日米産学連携を通じた5G高度化の国際標準獲得のための無線リンク技術の研究開発」として採択。

※5 Radio Access Network Working Group(RAN WG)の略称で、3GPPにおけるTSG(Technical Specification Group)のうち、RAN関連のグループのことを指し、端末装置と基地局との間における通信の仕様化を行う。今回は、WG1とWG2に提案。WG1は、Radio Layer1(物理レイヤ)の仕様化を担当する。WG2は、無線インターフェースのアーキテクチャとプロトコルの仕様化を担当する。

※6 寄与文書で提案した提案内容が標準化会合での合意に反映された数。シャープ調べ。

※ ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。

   ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。

【ニュースリリース全文】

  https://corporate.jp.sharp/news/230919-a.html

 

 

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