2026年最新版|ソラコムeSIM/iSIM徹底検証――小型化・セキュリティ・コストを総合評価し失敗しない導入手順まで完全ガイド

ソラコムの eSIM/iSIM とは?

SIM の進化をおさらい

IoT デバイスで使う SIM は、カード型→チップ型(eSIM)→モデム内蔵型(iSIM)へと急速に小型化が進んでいます。ソラコム公式 eSIM 基礎解説によれば、eSIM は基板上に直接はんだ付けする IC パッケージで、カードスロットが不要になるため振動や湿度に強く、設計自由度が高まります。一方 iSIM は 同社の iSIM 解説が示す通り、セルラーモデム内に SIM 機能そのものを統合した規格で、部品点数と基板面積をさらに削減できます。こうした流れを押さえると、ソラコムが eSIM/iSIM を提供する必然性が理解しやすくなります。

eSIM の技術的特徴とメリット

eSIM(embedded SIM)は “基板直付け” が最大の特徴です。カード型 SIM の約半分以下の面積で、コネクタも排除できるため、耐振動性・防塵性の要求が高い産業機器や車載機器で採用が進みます。また、遠隔でプロファイルを書き換えられるため、多拠点で運用する IoT デバイスでも現地作業を減らせます。ソラコムの planX3 eSIM は LTE-M を世界 60 以上の国・地域で使えるうえ、未通信期間は月額 0 円で休眠できるなど、IoT に最適化した料金設計が特徴です(planX3 製品ページ参照)。

iSIM の技術的特徴とメリット

iSIM(Integrated SIM)は、SIM をモデム SoC のセキュア領域に統合した最新仕様です。ソラコムの解説では、①はんだ付け不要で実装が簡素化、②基板面積のさらなる削減、③物流・関税コストの低減といった利点が強調されています。ウェアラブルや医療機器のように 1mm 単位でスペースを削りたい製品には大きな武器です。さらに通信モジュールと SIM が一体で流通するため、部品調達が一本化できることも開発現場から高評価を得ています。

eSIM と iSIM を比較すると?

両者の違いを整理すると次の通りです。

  • 実装方法:eSIM は基板上のチップ、iSIM はモデム内蔵で実装部品ゼロ。
  • サイズ・設計自由度:iSIM が最小。eSIM でもカード型比で約 50% 小型。
  • 調達・物流:iSIM はモジュール一括調達、eSIM は通信事業者経由の別購買が必要。
  • セキュリティ:両者とも GSMA 標準に準拠し高い耐タンパ性を確保。

ただし、iSIM は対応モジュールがまだ限定的で、量産価格も高止まり傾向にあります。製品ライフサイクルや台数、国際展開の有無で最適解は変わります。

料金・運用面から見た評価

eSIM プロファイルは 1 枚あたり初期費用 3 USD、日額 0.06 USD(100 枚以内)とカード型 SIM と同等水準です。2025 年の運用見直しにより、プロファイル発行は承認制へ移行し、事前に営業窓口と調整が必要になりました(料金表参照)。これは大量発行による不正利用防止が目的で、正規ユーザーに大きな影響はありません。一方 iSIM はモジュール単価に SIM コストが含まれる形になるため、単体価格は公開されていませんが、開発者の声では「カード+モデムより 5〜10%高い程度」で収まる例が多いようです。

セキュリティと認証サービス「SORACOM Endorse」

SIM の真価は「通信+認証」を一体で管理できる点です。ソラコムは SORACOM Endorse を提供し、IoT SIM の IMSI をトークン化して Wi-Fi 経由など他ネットワークのデバイス認証にも再利用できる仕組みを実装しました。公式説明が示す通り、SIM の耐タンパ性と固有 ID を生かした多要素認証を簡単に組み込めるため、クラウド API や業務システムの“パスワードレス”化を後押しします。eSIM/iSIM どちらでも同じ IMSI 管理が行われるため、認証強度は変わらず、高水準のセキュリティを確保できます。

主なユースケースと導入実績

ソラコム IoT ストアでは GPS トラッカーや LTE-M ボタンなど多数のデバイスが eSIM 版で提供されています。車載用シガーソケット・トラッカー(RT299)やグローバル LTE-M ボタンは実装スペースが限られ、耐振動性が求められる代表例です。iSIM は 2024 年以降、村田製作所「Type 1SC」や Quectel「BG773」といったモジュールに採用され、医療向けパッチ型デバイスや小型資産トラッカーで実証が進んでいます。これらの事例は「交換不要・省電力・省スペース」という導入効果を裏付けています。

導入時の課題とチェックポイント

eSIM は「書き込み済みチップ」を基板に実装するため、OEM/ODM 体制では契約主体調達主体がズレないように注意が必要です。公式ハンドブックでも輸出時の「該非判定書」の取得が推奨されています(eSIM 基礎解説)。iSIM はモジュール一括調達でこの煩雑さが縮小する一方、ファームウェア更新で SoC と SIM を同時に書き換える設計になるため、アップデート手順の検証に工数が掛かります。さらに、現状は供給モジュールが限られ、長期供給保証やキャリア認証取得のスケジュールを早めに確認することが不可欠です。

ソラコム eSIM/iSIM の「本当の評価」まとめ

1. eSIM は量産・国際展開向けに成熟し、ソラコムのグローバルプランと組み合わせるとコスト最適化と遠隔運用を両立できる。
2. iSIM はさらなる小型化と商流簡素化を実現する“次の一手”。モジュール選定とファームウェア体制を整えれば設計と物流コストの削減が見込める。
3. SORACOM Endorse などプラットフォーム連携により、SIM を軸にしたセキュリティ設計が容易になり、クラウドサービスとの統合もスムーズ。
4. 一方で、eSIM プロファイル発行の承認制移行や iSIM モジュール供給の限定など、運用フローと調達計画の見直しは必須。
総じて、2026 年時点での「本当の評価」は「eSIM=安定実用フェーズ」「iSIM=実証から量産へ移行期」。デバイスサイズ・生産数量・セキュリティ要件を踏まえ、両者を適切に使い分けることが、IoT プロジェクト成功の鍵と言えます。

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