日本電気/NEC、インテルとの協業により5GコアネットワークのUPFにおける低消費電力化を実現

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通信事業者のカーボンニュートラルに貢献

NECは、コンテナ化したStand Alone方式の5Gコアネットワーク(5GC)のUser Plane Function(UPF)性能試験において、NEC製UPFに組み込んだ負荷判定ロジックにインテル Xeon  スケーラブル・プロセッサーテレメトリを採用し、HWリソースを動的に制御することで、実際の商用ネットワークに近い環境で消費電力を30%以上削減しました。これにより、通信事業者の4G/5Gネットワーク運用におけるエネルギー消費とコスト削減の目標達成に貢献します。

5Gの普及拡大に伴いUPFの性能向上が求められる中で、同時に5GCの展開における低消費電力化が重要な課題となっています。
ユーザデータのトラヒックを処理するUPFのアプリケーションは、トラヒック量に関係なくNIC(Network Interface Card)を常にポーリング(処理手順確認のためのデータ送受信)するため、CPUリソースを100%消費しエネルギー使用量が高くなり、消費電力が高くなることが課題となっていました。これまで、静的なトラヒックに合わせて、アプリケーション処理やCPUリソースの最適化による消費電力の最小化が検証されてきましたが、今回、商用ネットワークでの運用を考慮し、トラヒックの変動に合わせてインテルXeonプロセッサーの使用量を動的に調整することにより、消費電力を削減できました。

具体的には、商用トラヒックに対応するために負荷量判定ロジックをカスタマイズしてNEC製UPFに組み込まれているDPDK(Data Plane Development Kit)に実装するとともに、同ロジックに基づきインテル製CPUのHWリソースを動的に制御する機構を設けました。これにより、トラヒックレートの変動や、瞬時にパケット量の増量が発生するといった実際の商用ネットワークに近い環境においても、パケットの欠落なくCPUの消費電力を削減しました。

今回の成果は、NECとインテルが保持する高い専門性を通じた協力関係によるものです。今後もNECとインテルは、電力削減やカーボンニュートラルに向けた技術の開発・共創を進めていきます。
さらに、NECは本技術を搭載したUPFの市場展開を進めるとともに、RAN側のユーザプレーン処理やコア/RANのコントロールプレーンに適用し、5Gシステム全体の省電力化に貢献してまいります。

以上

この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」(JPNP200179)の委託事業で得られたものです。

 
<本件に関するお問い合わせ先>
NEC
ネットワークサービス企画統括部
contact@nwsbu.jp.nec.com

 

 

 

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