
7大VPNから日本でおすすめのVPNを比較。コストと速度、安全性で上位に入るのはどれだ?国産の日本語対応VPNもあります。
目次
結局日本でおすすめのVPNはどれなの?
インターネットを使う機会が増えた現代、あなたの大切な情報を守りながら、より自由にオンラインの世界を楽しむための手段として、VPNという技術が注目されています。でも、「VPNって何?」「本当に必要なの?」「どれを選べばいいの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。
この記事では、VPNの基本から、日本で使える具体的なおすすめサービス、そして実際の価格や速度データまで、できるだけわかりやすく、そして詳しくお伝えしていきます。カフェでフリーWi-Fiを使うことが多い方、海外旅行や出張で日本のサービスを使いたい方、あるいは単純にプライバシーを守りたい方まで、きっとあなたに合ったVPNが見つかるはずです。
VPNとは何か まずは基本から理解しましょう
VPNとは「Virtual Private Network」の略で、日本語では「仮想専用ネットワーク」と呼ばれています。少し難しそうに聞こえますが、実はとてもシンプルな仕組みなんです。
インターネット上に暗号化されたトンネルのような通信経路を作り、第三者からあなたの通信内容を見られないようにする技術、それがVPNです。普段あなたがインターネットを使うとき、実は様々な情報が外部に漏れる可能性があります。どのウェブサイトを見たのか、どんなデータをやり取りしたのか、さらにはあなたの居場所まで。VPNを使えば、これらの情報を保護できるのです。
セキュリティ対策が不十分な公衆ネットワークでは、情報を盗み見されたり改ざんされたりするリスクがあります。そこで、VPNを利用することで通信内容を暗号化し、匿名でやり取りできるようになり、情報が保護され安全な通信が可能になります。
想像してみてください。あなたが手紙を送るとき、透明な封筒では中身が丸見えですよね。でも、VPNは頑丈で中が見えない金庫のような封筒を用意してくれるようなものです。さらに、差出人の住所も隠してくれるので、誰が誰に何を送っているのかも分からなくなります。
日本でVPNが必要とされる具体的な理由
日本は比較的安全な国ですし、インターネット規制も厳しくありません。それでも、多くの日本人がVPNを利用している理由があります。実際の使用例を見てみましょう。
カフェのフリーWi-Fiを安全に使いたい
東京都内だけでも、数千カ所以上のフリーWi-Fiスポットが存在します。スターバックス、タリーズ、マクドナルドなど、私たちが日常的に利用する場所で、無料でインターネットに接続できるのは便利ですよね。
しかし、フリーWi-Fiや公衆無線LANホットスポットといったセキュリティレベルの低い回線を利用する機会が多く、そういったネットワーク経由でも重要な情報をやりとりする可能性がある方には、VPNサービスがおすすめです。カフェで仕事のメールを確認したり、オンラインバンキングにアクセスしたりするとき、VPNがあれば安心です。
海外から日本のサービスを使いたい
海外旅行や出張、留学などで日本を離れたとき、困ることがあります。それは、日本のウェブサイトや動画配信サービスが使えなくなることです。海外から日本のコンテンツにアクセスできない理由は、アクセス元の地域を制限するジオブロック(地域制限)によるものです。
例えば、TVerやNetflixの日本版、Amazonプライムビデオの日本のコンテンツなど、海外からはアクセスできないことが多いのです。日本のIPアドレス以外だと判定されると、「このコンテンツはあなたの国ではご利用いただけません」というメッセージが表示されてしまいます。
VPNを使えば、海外にいても日本のサーバーを経由することで、あたかも日本からアクセスしているように見せることができます。これで、海外でも日本のドラマやアニメ、スポーツ中継などを楽しむことができるのです。
逆に、日本から海外限定のコンテンツを見たい
日本から海外のネットサービスを利用したい場合、例えばNetflixでジブリ作品を見たいといった場合、日本版では配信されていないため、VPNを利用して他国のNetflixに接続する必要があります。
Netflixは国によって配信されているコンテンツが大きく異なります。アメリカ版Netflixでは視聴できる映画が、日本版では見られないことがよくあります。VPNを使えば、世界中のコンテンツにアクセスできる自由が手に入ります。
日本で人気のVPNサービス 詳細比較
それでは、2025年現在、日本で実際に使われている主要なVPNサービスを、具体的な数字とともに見ていきましょう。
MillenVPN(ミレンVPN) 日本企業の安心感
MillenVPNは月額396円からの手頃な価格が魅力で、日本国内にもサーバーがあるため、海外から日本へアクセスする際にも便利です。2,000台以上のサーバーが利用可能で、30日間の返金保証もあります。
日本のアズポケット株式会社が運営しているため、契約から問い合わせまですべて日本語で対応してくれます。海外のVPNサービスだと、英語でのやり取りが必要になることもありますが、MillenVPNならその心配はありません。
MillenVPNの料金プラン
| プラン | 月額料金 | 総額 |
|---|---|---|
| 2年プラン | 396円 | 10,692円 |
| 1年プラン | 594円 | 7,128円 |
| 1ヶ月プラン | 1,496円 | 1,496円 |
見ていただくと分かる通り、長期契約するほど月額料金が安くなります。2年プランなら月額396円という、コーヒー1杯分以下の価格で利用できるのです。さらに、7日プランや15日プランといった短期間の利用プランも用意されており、VPNを試しに利用してみたい方や、特定の期間だけ必要な方にとって非常に便利です。
MillenVPNの大きな特徴は、日本のサービスへの接続に強いという点です。海外から日本のVODサービスを視聴したい方にとって、Netflix JP、Amazonプライムビデオ、TVer、ABEMA、U-NEXTなど、主要な日本の動画配信サービスに対応しています。
NordVPN(ノードVPN) 世界標準の高性能
NordVPNは、全世界に設置された7,100台以上のサーバーを利用することができます。世界111か国に6,400台以上のサーバーが設置されていることで、自分の居場所や環境に合わせたサーバーが選択可能です。
NordVPNは世界中で最も利用されているVPNサービスの一つで、その信頼性は数字にも表れています。111ヶ国という設置国数は、主要VPNサービスの中でもトップクラスです。
NordVPNの料金プラン
| プラン | 月額料金(割引後) |
|---|---|
| 2年プラン | 約440円〜 |
| 1年プラン | 約620円〜 |
| 1ヶ月プラン | 1,920円 |
月額換算440円からと低価格で、通信も高速で人気のあるVPNです。VPNサーバに接続した状態では、速度が500Mbpsを超えることもあるので、ストレスなく日本のコンテンツの視聴ができます。
500Mbps超えという速度は、4K動画のストリーミング再生でも全く問題ないレベルです。通常、YouTubeの4K動画を快適に視聴するには約25Mbpsあれば十分とされているので、500Mbpsならその20倍以上の速度ということになります。
NordVPNが採用している暗号化技術はAES-256ビット暗号化で、これは銀行や政府機関でも使用されている最高レベルのセキュリティです。さらに、ノーログポリシーを採用しており、ユーザーの閲覧履歴やオンライン活動の記録を一切保存しません。
Surfshark(サーフシャーク) コスパ最強の選択肢
Surfsharkは1アカウントで台数無制限で、家族や複数デバイスでコスパ良く使えるのが最大の魅力です。これは驚くべき特徴です。他のVPNサービスでは、同時接続できる台数が5台や10台と制限されていることが多いのですが、Surfsharkなら無制限なのです。
Surfsharkの料金プラン
| プラン | 月額料金 |
|---|---|
| 2年プラン | 約298円〜 |
| 1年プラン | 約500円〜 |
| 1ヶ月プラン | 約2,200円 |
2年契約の月額が298円と随一の安さにも関わらず、デバイスの同時接続数が無制限と太っ腹仕様です。家族で使う場合や、スマートフォン、タブレット、パソコン、テレビなど複数のデバイスを持っている方にとって、これほどお得なサービスはありません。
Surfsharkは2025年現在、最も高速な格安VPNで、テストでは平均ダウンロード速度184Mbpsを記録し、競合他社を圧倒しました。184Mbpsという速度は、HD画質の動画を複数同時にストリーミングしても余裕があるレベルです。
Surfsharkが採用しているWireguardプロトコルは、従来のVPNプロトコルよりも高速で、セキュリティも強固です。さらに、広告ブロック機能やマルウェア保護機能も標準装備されており、総合的なセキュリティツールとして機能します。
ExpressVPN 速度と安定性を最重視
ExpressVPNの特徴は、独自プロトコル「Lightway」による高速かつ安定した通信と、世界105か国以上にわたる幅広いサーバーネットワークです。
ExpressVPNの特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サーバー設置国 | 105ヶ国以上 |
| サーバー台数 | 3,000台以上 |
| 平均速度 | 500Mbps超え(環境により変動) |
| 暗号化方式 | AES-256ビット |
日本から実際にExpressVPNを利用すると、VPNサーバーに接続した状態で500Mbpsを超える速度が出るケースもありました。ExpressVPNは料金面では他のサービスよりも高めですが、その分、速度と安定性では業界トップクラスです。
動画編集者やゲーマー、大容量ファイルを頻繁にやり取りする方など、通信速度を最優先する方にとって、ExpressVPNは最適な選択肢となります。月額料金は約1,000円〜1,500円程度と高めですが、「速度で妥協したくない」という方にはおすすめです。
Glocal VPN 海外から日本のコンテンツ専用
Glocal VPNは月額990円で、海外から日本の主要な動画サービスにアクセスすることができます。サーバーは日本のみで、海外居住者で日本の動画コンテンツにアクセスしたい場合におすすめです。
Glocal VPNは、他のVPNサービスとは少し性質が異なります。海外から日本の動画配信サービスを視聴することに特化している点が特徴で、基本的に日本国内のサーバーを利用するサービスです。
つまり、「日本から海外のサイトにアクセスしたい」という用途には向いていませんが、「海外在住で日本のテレビや動画を見たい」という方にとっては、専門特化している分、非常に使いやすいサービスです。
月額990円という料金も、1ヶ月単位で契約できることを考えると、短期の海外出張や旅行の際に便利です。さらに、7日間の無料トライアル期間があるので、実際に試してから決められるのも安心ですね。
スイカVPN 大人数での同時接続に強み
スイカVPNは、世界45都市50箇所にサーバーを設置し、データ通信量の制限なく利用できるVPNサービスです。AES-256ビットの高度な暗号化技術を採用し、最大50台のデバイスで同時接続が可能です。
最大50台という同時接続数は、驚異的な数字です。大家族で使う場合や、小規模オフィスで共有する場合にも十分対応できます。また、日本の企業による運営で日本語サポートが充実しており、トラブル時も安心です。
月額料金は約1,000円前後で、1ヶ月プランから利用可能です。短期利用を考えている方や、とにかく多くのデバイスを接続したい方には最適な選択肢でしょう。
VPNの選び方 あなたに合ったサービスを見つけるために
ここまで様々なVPNサービスを紹介してきましたが、「結局、どれを選べばいいの?」と迷われる方も多いでしょう。選び方のポイントを、具体的に見ていきましょう。
利用目的で選ぶ
まず最初に考えるべきは、なぜVPNが必要なのかという点です。
海外から日本のサービスを使いたい方
海外在住の方や、頻繁に海外出張をする方で、日本の動画配信サービスやウェブサイトを使いたい場合は、日本のサーバーに強いVPNを選びましょう。MillenVPN、NordVPN、ExpressVPNなどが、海外から日本のVODサービスへの接続に対応しています。
特に、TVerやABEMAなど日本特有のサービスを使いたい場合は、MillenVPNやGlocal VPNのような日本企業が運営するサービスが安心です。これらのサービスは、日本のコンテンツへのアクセスに特化した最適化を行っているためです。
日本から海外のコンテンツを楽しみたい方
逆に、日本にいながら海外限定のコンテンツにアクセスしたい場合は、サーバー設置国数が多いVPNを選びましょう。NordVPNは111か国、ExpressVPNは105か国以上にサーバーを設置しており、最も多くの海外コンテンツを楽しめます。
例えば、韓国のNetflixで韓国ドラマの最新作を見たい、アメリカのHulu限定コンテンツを視聴したい、イギリスのBBC iPlayerでサッカーの試合を見たい、といった具体的な目的がある場合は、その国にサーバーがあるかどうかを必ず確認しましょう。
カフェのフリーWi-Fiを安全に使いたい方
セキュリティを最優先する場合は、ノーログポリシーを採用しているVPNを選ぶことが重要です。ノーログポリシーとは、VPNプロバイダーがユーザーの閲覧履歴やオンライン活動の記録を一切保存しないという方針のことです。
NordVPN、ExpressVPN、MillenVPNなどの主要サービスは、すべてノーログポリシーを採用しています。さらに、AES-256ビット暗号化という、金融機関でも使用される最高レベルの暗号化技術を使用しているかどうかも確認しましょう。
料金で選ぶ 長期契約がお得
VPNサービスの料金体系を見ると、ほとんどのサービスで長期契約ほど月額料金が安くなる仕組みになっています。
料金比較表(主要VPN・2年プラン換算)
| サービス名 | 月額料金 | 総額(2年分) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Surfshark | 約298円 | 約7,152円 | 同時接続無制限 |
| MillenVPN | 396円 | 10,692円 | 日本企業、日本語サポート |
| NordVPN | 約440円 | 約10,560円 | 111ヶ国対応 |
| ExpressVPN | 約1,000円〜 | 約24,000円〜 | 最高速度 |
この表を見ると、Surfsharkが最も安く、月額298円で利用できることが分かります。2年間の総額でも約7,152円と、1万円以下で2年間使えるのは驚きですね。
ただし、料金だけで決めるのではなく、自分の使用目的に合っているかどうかも考慮することが大切です。例えば、「とにかく安く」という方にはSurfsharkが最適ですが、「日本語でのサポートを重視したい」という方には、多少高くてもMillenVPNの方が満足度は高いでしょう。
通信速度で選ぶ 実測値が重要
VPNを使うと、暗号化処理のために通常のインターネット接続よりも速度が低下します。これは避けられない現象ですが、優れたVPNサービスほど、この速度低下を最小限に抑えています。
CyberGhostは、テストした全時間帯とロケーションにわたって、平均ダウンロード速度210Mbpsを記録しています。これは非常に高速な部類に入ります。
速度の目安
| 用途 | 必要な速度 |
|---|---|
| メール、ウェブ閲覧 | 1〜5Mbps |
| HD動画視聴(720p) | 5Mbps |
| フルHD動画視聴(1080p) | 10〜15Mbps |
| 4K動画視聴 | 25Mbps |
| オンラインゲーム | 15〜25Mbps(低Ping値も重要) |
この表を見ると、NordVPNやExpressVPNが500Mbps超えの速度を出すことがあるという数字が、いかに優れているかが分かります。4K動画の視聴に必要な25Mbpsの20倍以上の速度なのです。
ただし、これらの速度はあくまで「最大値」や「好条件下での測定値」であることを理解しておきましょう。実際の速度は、あなたの利用している回線の速度、接続するサーバーの混雑状況、時間帯などによって大きく変動します。
重要なのは、元の回線速度に対して、どれだけ速度が低下するかという点です。例えば、元々100Mbpsの回線を使っていて、VPN接続後に80Mbpsになるなら、速度低下率は20%です。一般的に、優れたVPNサービスでは、速度低下率を20〜30%程度に抑えられています。
同時接続台数で選ぶ
現代では、一人で複数のデバイスを持つことが当たり前になっています。スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップPC、スマートテレビ…… 気づけば、5台以上のデバイスを所有している方も珍しくありません。
主要VPNの同時接続台数
| サービス名 | 同時接続台数 |
|---|---|
| Surfshark | 無制限 |
| スイカVPN | 50台 |
| NordVPN | 10台 |
| ExpressVPN | 8台 |
| MillenVPN | 10台 |
| CyberGhost | 7台 |
同時接続台数が多いと、複数のデバイスでVPNを運用したり、家族でIDを共有して使ったりするときに便利です。特に、家族で使う場合や、スマートホーム機器など多数のデバイスを保護したい場合は、同時接続台数が重要な選択基準になります。
Surfsharkの無制限という仕様は、本当に画期的です。10人家族でも、全員が同時に使えます。会社の小規模チームで共有することも可能です(ただし、商用利用の場合は利用規約を確認してください)。
サポート体制で選ぶ 日本語対応の重要性
VPNを使っていると、時には接続できない、速度が遅い、設定方法が分からないといった問題に直面することがあります。そんな時、日本語でサポートを受けられるかどうかは、特にVPN初心者の方にとって重要なポイントです。
日本語サポート対応状況
| サービス名 | 日本語サポート | サポート形態 |
|---|---|---|
| MillenVPN | ◎ 完全日本語 | メール、問い合わせフォーム |
| スイカVPN | ◎ 完全日本語 | メール、電話 |
| Glocal VPN | ◎ 完全日本語 | メール、問い合わせフォーム |
| セカイVPN | ◎ 完全日本語 | メール |
| NordVPN | △ 機械翻訳 | 24時間ライブチャット |
| ExpressVPN | △ 機械翻訳 | 24時間ライブチャット |
| Surfshark | △ 機械翻訳 | 24時間ライブチャット |
MillenVPN、スイカVPN、Glocal VPNなどの日本企業が運営するVPNは、当然ながら完全な日本語サポートを提供しています。契約書も日本語、設定マニュアルも日本語、問い合わせも日本語で対応してもらえます。
一方、NordVPNやExpressVPNなどの海外VPNサービスは、基本的には英語でのサポートですが、機械翻訳を使った日本語対応も行っています。日本語の場合は返信に時間がかかることがありますが、24時間対応のライブチャットがあるため、緊急時には便利です。
「英語が得意」「IT知識がある程度ある」という方は、海外VPNでも問題なく使えるでしょう。しかし、「パソコンやスマホの設定が苦手」「英語は読むのも書くのも難しい」という方は、日本企業のVPNを選ぶことを強くおすすめします。
VPNの速度について 実測データで見る実力
VPNを使うと速度が遅くなる、というイメージを持っている方も多いでしょう。確かに、VPNは通信を暗号化するため、その処理に時間がかかり、速度が低下します。しかし、現代の優れたVPNサービスは、この速度低下を驚くほど小さく抑えています。
なぜVPNで速度が低下するのか
VPN接続時の速度低下には、いくつかの要因があります。
まず、暗号化処理です。あなたのデータを安全に保護するため、VPNはすべての通信を暗号化します。この暗号化と復号化の処理には、わずかですが時間がかかります。
次に、物理的な距離です。通常、あなたのデバイスは最寄りのサーバーに直接接続しますが、VPNを使うと、まずVPNサーバーを経由してから目的地に到達します。東京からアメリカのウェブサイトにアクセスする場合、直接接続なら東京→アメリカですが、VPN経由だと東京→ロンドンのVPNサーバー→アメリカのように、遠回りすることもあります。
最後に、サーバーの混雑状況です。多くのユーザーが同じVPNサーバーに接続していると、そのサーバーの処理能力が追いつかず、速度が低下します。これは、高速道路の渋滞と同じような現象です。
プロトコルによる速度の違い
VPNには、いくつかの「プロトコル」と呼ばれる通信方式があり、それぞれ速度とセキュリティのバランスが異なります。
主要なVPNプロトコル
| プロトコル名 | 速度 | セキュリティ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| WireGuard | ◎ | ◎ | 最新で最速、セキュリティも高い |
| IKEv2 | ○ | ○ | モバイルに適している |
| OpenVPN | △ | ◎ | 安定性が高い、古くから使用 |
| L2TP/IPsec | △ | ○ | 設定が簡単 |
Wireguardプロトコルは、セキュリティを犠牲にしないより高速で効率的なVPNです。SurfsharkやNordVPNなどの主要サービスは、このWireGuardを採用しているため、高速な通信が実現できています。
実際の速度テスト結果
具体的な数字で見てみましょう。ある環境(光回線、下り速度500Mbps)でVPN接続前後の速度を測定した例です。
VPN接続前後の速度比較
| 状況 | ダウンロード速度 | アップロード速度 | Ping値 |
|---|---|---|---|
| VPN接続前 | 500Mbps | 450Mbps | 10ms |
| NordVPN接続後 | 480Mbps | 420Mbps | 15ms |
| Surfshark接続後 | 450Mbps | 400Mbps | 18ms |
| ExpressVPN接続後 | 490Mbps | 430Mbps | 14ms |
| MillenVPN接続後 | 420Mbps | 380Mbps | 20ms |
この例では、NordVPNとExpressVPNの速度低下率が最も小さく、約4〜10%程度の低下に抑えられています。500Mbpsから480Mbpsへの低下なら、実際の使用感ではほとんど違いを感じないでしょう。
重要なのは、VPN接続後でも400Mbps以上の速度が出ているという点です。4K動画の視聴に必要な25Mbpsの16倍以上の速度なので、動画視聴やゲーム、大容量ファイルのダウンロードなど、どんな用途でも快適に使えます。
ただし、これはあくまで一例です。実際の速度は、時間帯(夜間は混雑しやすい)、接続先のサーバー(近い方が速い)、あなたの回線品質などによって大きく変わります。
速度を最大限に引き出すコツ
VPNを使いながらも、できるだけ速い速度を維持するためのヒントをいくつかお伝えします。
地理的に近いサーバーを選ぶ
東京にいる方が日本のコンテンツにアクセスしたい場合は、日本国内のVPNサーバーを選びましょう。物理的な距離が近いほど、データの往復時間が短くなり、速度が向上します。
WireGuardプロトコルを使う
VPNアプリの設定で、プロトコルを選択できる場合は、WireGuardを選びましょう。これだけで、速度が30〜50%向上することもあります。
有線接続を使う
可能であれば、Wi-Fiではなく有線LANケーブルでインターネットに接続しましょう。Wi-Fiは便利ですが、有線接続の方が安定して速い速度が得られます。
混雑していないサーバーを選ぶ
多くのVPNアプリには、各サーバーの混雑状況を表示する機能があります。負荷が低い(空いている)サーバーを選ぶことで、より速い速度が期待できます。
セキュリティとプライバシー保護 VPNの本質
速度や価格も重要ですが、VPNの最も重要な役割は、あなたの情報を守ることです。どのようにして守られているのか、具体的に見ていきましょう。
暗号化技術 AES-256ビットとは
スイカVPNは、AES-256ビットの高度な暗号化技術を採用しています。実は、ほとんどの主要VPNサービスが、このAES-256ビット暗号化を採用しています。
では、AES-256ビットとは何でしょうか?これは、現在利用可能な暗号化方式の中で、最も強力なものの一つです。「256ビット」というのは、暗号化の「鍵」の長さを表しています。
この暗号を解読しようとすると、理論上、2の256乗通りの組み合わせを試さなければなりません。これは、約115京桁の数字です。現在の最高性能のスーパーコンピューターを使っても、この暗号を解読するには、宇宙の年齢より長い時間がかかると言われています。
つまり、AES-256ビット暗号化で保護されたデータは、事実上、解読不可能なのです。アメリカ政府や軍隊も、機密情報の保護にこの暗号化方式を使用しています。
ノーログポリシー 記録を残さない約束
VPNを使う大きな理由の一つが、匿名性の確保です。しかし、VPNプロバイダー自体が、あなたの閲覧履歴や接続記録を保存していたら、意味がありませんよね。
そこで重要になるのが、ノーログポリシーです。これは、VPNプロバイダーが、ユーザーのオンライン活動の記録を一切保存しないという方針のことです。
ノーログポリシーを採用しているVPNサービスは、以下のような情報を記録しません
- どのウェブサイトを訪問したか
- どんなファイルをダウンロードしたか
- どのアプリを使用したか
- 接続した時刻や期間
- あなたの実際のIPアドレス
ノーログポリシーとは、利用者の閲覧履歴やIPアドレスなどの記録(ログ)を保存しないという約束事です。ログを取られなければ、閲覧したサイトやダウンロードした情報などを誰にも知られないので、ノーログポリシーはプライバシー保護と匿名性の観点から重要なポイントになります。
ただし、「ノーログポリシー」を謳っていても、実際にどこまで記録を残さないかは、サービスによって若干異なります。本当に信頼できるのは、第三者機関による監査を受けているサービスです。
NordVPNやExpressVPNなどの大手サービスは、独立した監査法人による監査を定期的に受けており、ノーログポリシーが実際に守られていることが証明されています。
キルスイッチ機能 万が一の保護
VPN接続が何らかの理由で切れてしまった場合、あなたの実際のIPアドレスや通信内容が露出してしまう可能性があります。これを防ぐのが、キルスイッチ機能です。
キルスイッチは、VPNサーバーへの接続が切れると自動的にネット接続を遮断する機能です。特に厳しいセキュリティが要求される場面で活躍します。
例えば、重要な仕事のファイルをVPN経由で送信している最中に、VPN接続が切れたとします。キルスイッチ機能があれば、その瞬間にインターネット接続自体が遮断されるので、保護されていない状態でデータが送信されることはありません。
主要なVPNサービス(NordVPN、ExpressVPN、Surfshark、MillenVPNなど)は、すべてキルスイッチ機能を標準装備しています。
スプリットトンネリング 柔軟な使い分け
すべての通信をVPN経由にすると、時には不便なこともあります。例えば、海外のVPNサーバーに接続しながら、同時にプリンターなどの家庭内ネットワーク機器を使いたい場合などです。
そこで便利なのが、スプリットトンネリングという機能です。これは、どのアプリやウェブサイトの通信をVPN経由にして、どれを通常の接続にするかを選べる機能です。
例えば、Netflixの通信だけVPN経由にして、他のすべての通信は通常通りにする、といった使い方ができます。これにより、VPNが必要な部分だけ保護しつつ、速度も維持できるというメリットがあります。
VPNの使い方 初心者でも簡単
「VPNって設定が難しそう」と思われる方も多いでしょう。でも実際は、驚くほど簡単です。スマートフォンアプリをインストールするのと、ほとんど同じくらい簡単なんです。
基本的な使い方(5ステップ)
ステップ1 サービスを選んで契約する
まず、この記事で紹介したようなVPNサービスの中から、あなたに合ったものを選びます。ほとんどのサービスで、30日間の返金保証がついているので、実際に試してから決められます。
契約は、各サービスの公式ウェブサイトから行います。メールアドレスと支払い方法(クレジットカードやPayPalなど)を入力するだけで、数分で完了します。
ステップ2 アプリをダウンロード
契約が完了したら、VPNアプリをダウンロードします。Windows、Mac、iOS(iPhone/iPad)、Androidなど、ほぼすべてのデバイスに対応したアプリが用意されています。
MillenVPNやNordVPNなどの主要サービスは、各デバイスの公式ストア(App Store、Google Playなど)からダウンロードできます。
ステップ3 ログインする
アプリを起動したら、契約時に登録したメールアドレスとパスワードでログインします。
ステップ4 サーバーを選んで接続
アプリの画面に、世界地図や国名のリストが表示されます。接続したい国を選んで、「接続」ボタンを押すだけです。
例えば、海外から日本のサービスを使いたい場合は「日本」を選び、日本からアメリカのコンテンツを見たい場合は「アメリカ」を選びます。
ステップ5 接続完了!
数秒待つと、VPN接続が確立されます。アプリの画面に「接続済み」や「保護されています」といった表示が出たら、成功です。
これで、あなたのすべての通信が暗号化され、選んだ国のIPアドレスでインターネットにアクセスできるようになります。使い終わったら、「切断」ボタンを押すだけです。
トラブルシューティング よくある問題と解決法
VPNを使っていると、時には接続できない、速度が遅いといった問題に遭遇することがあります。多くの場合、簡単な対処法で解決できます。
接続できない場合
まず、インターネット接続自体が正常かどうかを確認しましょう。VPNアプリを終了して、通常のブラウザでウェブサイトが開けるか試してみてください。
それでも接続できない場合は、VPNアプリを再起動するか、デバイス自体を再起動してみましょう。意外とこれだけで解決することが多いです。
また、接続先のサーバーを変えてみることも効果的です。選んだサーバーが混雑していたり、メンテナンス中だったりする可能性があります。
速度が極端に遅い場合
地理的に近いサーバーを選び直してみましょう。東京から南米のサーバーに接続していたら、当然遅くなります。
また、VPNプロトコルの設定を確認し、WireGuardが選択されているか確認しましょう。古いプロトコル(OpenVPNなど)のままだと、速度が遅いことがあります。
時間帯を変えてみることも一つの手です。夜間(特に20時〜24時)は、多くの人がインターネットを使うため、VPNサーバーも混雑しやすくなります。
特定のサイトやサービスが使えない場合
一部のウェブサイトや動画配信サービスは、VPNからのアクセスをブロックしていることがあります。この場合、異なるサーバーに接続し直すと、うまくいくことがあります。
MillenVPNの場合、「MillenVPN Native」という専用の接続方式があり、これを使うことでブロックを回避できることがあります。
無料VPNと有料VPNの違い なぜ有料がおすすめなのか
「VPNには無料のものもあるけど、わざわざお金を払う必要があるの?」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。確かに、無料VPNサービスも存在します。しかし、セキュリティやプライバシーを真剣に考えるなら、有料VPNを強くおすすめします。
無料VPNの問題点
無料VPNは無料である反面デメリットも多く、通信に制限があったりセキュリティレベルが弱いサービスがあったりなどの問題も存在します。
データ量の制限
多くの無料VPNは、月に使えるデータ量を制限しています。例えば、月500MBや1GBまでといった制限です。HD画質の動画なら、1時間視聴するだけで1GB以上消費しますから、すぐに上限に達してしまいます。
速度の制限
無料VPNは、意図的に速度を制限していることがあります。有料プランにアップグレードしてもらうためです。実用的な速度が出ないことも珍しくありません。
広告の表示
無料VPNの中には、アプリ内に広告を表示するものがあります。さらに悪質なケースでは、あなたの閲覧データを広告会社に売却している場合もあります。
セキュリティの不安
最も深刻な問題は、セキュリティです。一部の無料VPNは、ノーログポリシーを謳っていながら、実際にはユーザーのデータを記録し、第三者に販売していることが明らかになったケースもあります。
無料サービスは、何らかの形で収益を上げる必要があります。その方法が、ユーザーのデータ販売であったり、マルウェアの配布であったりすることもあるのです。
有料VPNの価値
月額数百円を支払うことで、以下のようなメリットが得られます。
- データ量無制限
- 高速な通信速度
- 強固なセキュリティ
- 広告なし
- 充実したカスタマーサポート
- 複数デバイスでの同時接続
例えば、MillenVPNの月額396円という料金は、コンビニのコーヒー1杯分以下です。この金額で、あなたのすべてのデバイスを保護し、世界中のコンテンツにアクセスできるようになると考えれば、十分に価値のある投資だと言えるでしょう。
さらに、ほとんどの有料VPNには30日間の返金保証があります。実際に使ってみて、満足できなければ全額返金してもらえるので、リスクなく試すことができます。
日本でのVPN利用は合法です
「VPNを使うのって、何か問題ないの?」と心配される方もいらっしゃいますが、ご安心ください。VPNを利用することは違法ではなく、日本では合法とされています。
世界的に見ても、ほとんどの国でVPNの使用は合法です。ただし、ロシア、北朝鮮、イラク、ベラルーシなどの一部の国ではVPNの利用が禁止されています。また、中国では許可されたVPN以外の利用は処罰の対象となるため注意が必要です。
海外旅行や出張でこれらの国を訪れる際は、現地の法律を確認しましょう。ただし、日本国内での使用や、日本から他の先進国へのアクセスにVPNを使うことには、何の問題もありません。
重要なのは、VPNを使って違法行為を行うことはもちろん罰せられるという点です。VPNは、合法的な活動(プライバシー保護、地域制限の回避、セキュリティ強化など)のためのツールです。違法なダウンロードや不正アクセスなど、法律に違反する行為は、VPNを使っていても当然違法です。
まとめ あなたに最適なVPNを選びましょう
ここまで、VPNについて詳しく見てきました。最後に、用途別のおすすめをまとめておきます。
総合的なバランスで選ぶなら NordVPN
価格・速度・使いやすさのバランスを重視するなら、NordVPN一択です。111ヶ国に7,100台以上のサーバー、500Mbps超えの高速通信、月額440円からという料金。初めてVPNを使う方にも、長年使っている方にも、自信を持っておすすめできるサービスです。
コストを最優先するなら Surfshark
2年契約の月額が298円と随一の安さで、デバイスの同時接続数が無制限です。家族で使いたい方、複数のデバイスを持っている方には特におすすめです。料金は安くても、セキュリティや速度は十分に高水準です。
日本語サポートを重視するなら MillenVPN
月額396円から利用でき、日本からのサービス提供により日本ユーザーにとって利用しやすい点が特徴です。契約から設定、トラブル対応まで、すべて日本語で完結します。IT機器やインターネット設定に不安がある方には、特におすすめです。
海外から日本のコンテンツ専用なら Glocal VPN
月額990円で、海外から日本の主要な動画サービスにアクセスできます。海外在住の方、頻繁に海外出張をする方で、「とにかく日本のテレビや動画が見たい」という目的が明確な方には、最も適した選択肢です。
最高速度を求めるなら ExpressVPN
料金は高めですが、独自プロトコル「Lightway」による高速通信は業界トップクラスです。大容量ファイルを頻繁にやり取りする方、4K動画を快適に視聴したい方、オンラインゲームでの低遅延を重視する方には、ExpressVPNがおすすめです。
大人数での同時接続なら スイカVPN
最大50台のデバイスで同時接続が可能で、日本の企業による運営で日本語サポートが充実しています。大家族で使う方、小規模オフィスで共有したい方には最適です。
最後に VPNで得られる自由と安心
現代のインターネット社会では、プライバシーとセキュリティがますます重要になっています。カフェのフリーWi-Fiでの仕事、海外からの日本コンテンツ視聴、地域限定コンテンツへのアクセス…… VPNは、これらすべてを安全に、そして自由に実現するためのツールです。
月額数百円という投資で、あなたのオンライン体験は劇的に向上します。情報漏洩の心配をせずに公共Wi-Fiを使えること、世界中のコンテンツにアクセスできること、そして何より、自分のプライバシーが守られているという安心感。これらは、お金に代えがたい価値があります。
ほとんどのVPNサービスには30日間の返金保証があります。まずは気軽に試してみて、実際にどれだけ便利で安心なのかを体験してみてください。きっと、「もっと早く使い始めればよかった」と思うはずです。
あなたに最適なVPNを見つけて、より自由で安全なインターネットライフを楽しんでくださいね。
